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STX造船が会社更生法の適用へ

登録:2016-05-25 23:43 修正:2016-05-26 07:06
一時は世界4位の造船会社に成長したが、無謀な拡張経営による累積赤字でついに会社更生法が適用されることになったSTX造船海洋=資料写真//ハンギョレ新聞社

産業銀行「今月末に不渡りを予想
裁判所主導の再生手続きは不可避」
650~1100億円資金ショート
昨年末から新規受注もなし

カン前会長、M&Aで規模拡張
不況・過剰投資…15年目にして座礁

 債権団共同管理(自律協約)を受け入れたSTX造船海洋が、企業再生手続(法定管理=会社更生法に該当)の開始の秒読み段階に入った。 STX造船は一時、世界4位の造船会社に成長したが、無謀な拡張経営にともなう累積赤字のドロ沼から抜け出せず、沈没する運命をむかえた。

 STX造船のメインバンクである産業銀行は25日、輸出入銀行、農協銀行、貿易保険公社などと債権団実務者会議を開き、「外部専門機関による診断の結果、資金流動性不足が深刻化し今月末に到来する決済資金を準備できず、不渡りの発生が予想される」とし、「追加資金を支援して自律協約を維持する名分も実益もないため、法定管理の申請は避けられない」と明らかにした。 会社が法定管理を申請すれば、担当裁判所は清算の手続きを踏むか、新たな持ち主を探すか決めることになる。

 産業銀行の説明によれば、STX造船は現時点で受注している船舶を正常に建造して引き渡し金を受け取っても、なお7000億~1兆2000億ウォン(650~1100億円)程度の資金がショートする。 昨年末からは新規受注がまったくなく、不足資金の規模はさらに増える可能性が高い。 また、海外の船主会社が過去に発注した船舶建造を取り消したり、損害賠償請求および仮差押さえの申請などに踏み切れば、追加損失も憂慮される。

 産業銀行関係者は「今月末までに債権団協議会での議論を経て自律協約を終了し、法定管理に切り替えることを決める予定」とし「STX造船が法定管理に突入した後にも、現在建造中の52隻の船舶を正常に建造できるようにし、協力会社の被害を最小化する方案を用意するため金融当局と協力する」と明らかにした。

 STX造船の経営に亀裂が入り始めたのは、カン・ドクス前会長の時期に遡る。 2001年に法定管理下にあった造船会社を買収してSTX造船海洋を設立したカン前会長は、攻撃的な拡張経営手法で受注を増やし、企業の規模を拡大した。 しかし、STX造船が受注した主力船種は、中国の造船会社と重複する中型タンカーが多かった。 低価格競争は避けられなかった。 業界の状況が長期不振に陥った状況で、無理な低価格受注を繰り広げたために財務状況の悪化を招くことになった。

 結局、2008年の金融危機発生で造船業界の不況はさらに深刻になり、成長動力と信じてきた造船業が、逆にグループを直撃した。 2013年の債権団による自律協約開始後も、過剰投資の影響と「深い不況の谷」には耐えられなかった。

 産業研究院のイ・ハング主任研究委員は「そもそも造船分野はSTXが専門性を持って参入した事業ではなかった。 事業多角化を狙って参入したが、中国の台頭を考慮しないまま無理な拡張経営を展開した結果、座礁してしまった」と話した。

 その結果、産業銀行など債権銀行と金融当局に対しても「損失発生の責任を避けようと不良経営を放置した」という批判が強まる見込みだ。 実際、債権団は自律協約開始以後にSTX造船に約4兆5000億ウォン(4000億円)を支援した。 今年1月、都市銀行のウリ銀行とハナ銀行が追加資金の支援に反対し債権団から脱退した時も、債権団はSTX造船に4000億ウォン規模の資金を出し、中小型に特化した造船会社とする方案などを議論した。

パク・スンホン、ホン・テソン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/745442.html 韓国語原文入力:2016-05-25 19:46
訳J.S(1623字)

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