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北朝鮮核問題、韓米と中国で責任押し付け合い

登録:2016-01-24 22:41 修正:2016-01-25 08:04
朴槿恵大統領が22日午前、大統領府で開かれた外交・安保・統一分野業務報告に参加し発言している= 大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

朴大統領の5カ国協議発言後 
駐韓米大使館「要請支持」 

中国との共助はさらに遠ざかる 
習近平とオバマは直接言及せず 

解決を主導する意志も見えず

 北朝鮮の4回目の核実験への対応方向を巡って、韓米両国と中国政府の見解の相違が時間の経過と共に鮮明になってきている。 韓米の「強力で包括的な実効性ある制裁」は中国の消極的態度により不透明になり、中国の「制裁・情勢安定・対話交渉努力の並行」方案は韓米の強硬基調のため力を持てないでいる。 北朝鮮の核問題に対する対応の二つの軸である「制裁」と「対話・交渉」が共に作動不能状態から抜け出せない。 韓米両国と中国が互いに責任を押し付け合う中で、情勢を管理し解決法を模索する“主体の失踪”が長期化しそうな局面だ。 6カ国協議は2008年12月以来8年間にわたり中断されている。

 特に朴槿恵(パククネ)大統領が22日の外交・国防・統一部業務報告時に、事実上の「6カ国協議無用論」を提起して「北朝鮮を除く5カ国協議推進」を指示したことが、韓中間の対応基調の亀裂を拡げている。 朴大統領の発言直後に中国外交部の洪磊報道官が「(朝鮮)半島の形勢において対話と談判は依然として問題解決のための根本的方案」として「関連各国が9・19共同声明の原則と精神を守り、早期に6カ国協議を再開することを希望する」と明らかにした。

 韓中関係で朴大統領の発言に中国外交部の報道官が公開的に反論したのは前例のない事態の展開だ。 米国政府の態度も不明瞭だ。 米国務省は当初、ハンギョレの論評要請に対して「我々は北朝鮮が信頼でき真正性ある非核化交渉に戻ってくることを目標に行う対話の門戸を開いている」と答えたが、朴大統領の5カ国協議発言の波紋が大きくなると、23日に駐韓米国大使館が「米国は5カ国協議に関する朴大統領の要請を支持する」と明らかにした。 駐韓米国大使館が声明を発表することが異例であり、国務省より格も低い。 しかも韓国政府関係者が24日、朴大統領の5カ国協議推進発言は「(米国など)周辺国との事前協議を経たものではない」と伝えた。 大統領府と外交部が遅れて「6カ国協議の枠組内での5者共助の強化」として、大統領の発言の波紋の縮小に努めた恰好だ。

 米中は当初から北朝鮮の核問題に関する責任所在を巡って公開的に攻防を行った。 北朝鮮の4回目の核実験の直後、ジョン・ケリー米国務長官が「米国がこの間同意し尊重してきた“中国のやり方”は作動しなかった」と批判すると、中国外交部の華春瑩報道官が「朝鮮半島の核問題の原因は中国になく、解決のキーポイントもまた中国にはない」と正面から受けたことが代表例だ。 中国共産党機関紙・人民日報の姉妹紙の環球時報はさらに一歩踏みこみ、「米国の(対北朝鮮)敵対視政策」を北朝鮮の核問題の一原因に挙げた。

 北朝鮮の4回目の核実験後、バラク・オバマ米大統領と習近平・中国国家主席が公開発言を全く出さない現実は一層深刻だ。 悪化の一途を辿る北朝鮮の核問題を収束させるめの当然な解決法が見つからない困惑の反映かもしれないが、米中の最高指導者が直接立ち上がってこの問題を解決する意志を明らかにしないことこそ深刻だ。

 その渦中に朴大統領が「中国の役割論」を繰り返し強調し「THAAD配備検討」(13日記者会見)と「5カ国協議推進」(22日外交安保部署業務報告)発言を通じて中国を公開的に圧迫している状況を憂慮する声が強い。 政府元高官は24日、「大統領の焦る心情を分からないではないが、国内政治だけを考える典型的な非外交的言辞」として「大統領の公開的な圧迫は北朝鮮の核問題対応過程での中国政府の積極的協力を引き出す上で役立たないのみならず韓中関係にも負担として作用するだろう」と指摘した。

イ・ジェフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/727615.html 韓国語原文入力:2016-01-24 19:31
訳J.S(1735字)

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