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OECD、所得不平等が悪化し20年間でGDPが8.5%減少

登録:2016-01-18 23:53 修正:2016-01-19 05:58

報告書「不平等と成長の関係」 
1980年代以後、OECD加盟国のジニ係数 
平均0.03p高まり不平等が深刻に 
政治不安・投資減少につながる

「租税・雇用・教育など多角的な対策が必要」

OECD加盟国のジニ係数推移 //ハンギョレ新聞社

 経済協力開発機構(OECD)は加盟国のジニ係数が1980年代以後の20年間に平均0.030ポイント高まったことが国内総生産(GDP)を8.5%程度減少させたと推定した。 これは所得不平等の深化が経済成長に悪影響を与えるという命題が妥当だということを意味する。 経済協力開発機構は最近「所得不平等:富者と貧者の格差」という報告書(経済協力開発機構韓国代表部要約)で、不平等と成長との関係をこのように明らかにした。

 報告書によれば、先進国の集まりと言える経済協力開発機構の加盟国のほとんどで1980年代以後に所得の不平等が拡大した。 25年前に上位10%の所得(可処分所得基準)が下位10%の7倍水準だったが、現在は9.6倍に上昇した。 所得ジニ係数は0.315で10%程度高まった。 ジニ係数は0~1の値を持ち、値が低いほど分配状態が平等と見れば良い。 韓国の所得ジニ係数は2012年現在0.307で、統計が確保されたOECDの31加盟国のなかで低い側から19位だった。 分配構造が非常に良くないグループに入る。 新興市場国では絶対的貧困階層が減っているものの、多くの国で所得不平等度が高くなる傾向を示している。

 報告書は所得不平等の拡大が多くの弊害を招いていると指摘した。 まず経済成長に長期的に害を及ぼすと診断した。 不平等が企業家のリスク甘受と革新の推進を刺激して経済成長に好影響を与えると主張する専門家がいるが、現在の不平等はそのような水準を超えたということだ。 不平等が深刻化すれば政治・社会的不安造成とそれにともなう投資減少を招き、社会の統合を阻害することもある。 一部の専門家たちは所得不平等が非生産的な地代追求行為と関連して資源の効率的配分の障害になるとも主張している。 不平等の深刻化はまた所得階層別教育費支出の両極化を通じて現在の所得分配構造を一層固着化する結果をもたらすと見る。

 OECDはこのような不平等の拡大を防止する対策を考えるべき時として、教育、雇用、租税、所得移転制度など多角的に接近する必要があると明らかにした。 特に租税制度の場合、高所得者に対する税額控除恩恵の縮小、ストックオプション収益を正常所得と見なすこと、不動産など資産保有課税の強化、相続税制の強化方案などを提示した。 雇用政策と関連しては、青年層と女性を中心に非正社員の比率が上昇傾向にあるだけに、社会福祉政策と連係して勤労貧困層の減少を図らなければならないと付け加えた。

イ・ギョン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/726709.html 韓国語原文入力:2016-01-18 21:14
訳J.S(1298字)

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