天安(チョナン)艦事件5周年を目前にした22日、脱北者団体の北朝鮮向けビラ散布に対して、北朝鮮が「ビラを撒布すれば物理的打撃を加えるので、近隣住民は待避せよ」と威嚇するなど、南北間の緊張が高まっている。
北朝鮮はこの日「朝鮮人民軍前線部隊の公開通告」を出し、脱北者団体の北朝鮮向けビラ撒布計画と関連して「すべての打撃手段は事前警告なしに無差別的な気球(風船)消滅作戦に進入することになるだろう」と明らかにしたと朝鮮中央通信が伝えた。 脱北者団体である自由北韓運動連合は、天安艦事件5周年である26日を前後して金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮労働党第1書記の暗殺事件を扱ったコメディ映画『インタビュー』動画などと共に北朝鮮向けビラを撒布する計画を明らかにしている。
北朝鮮は「ビラ撒布に対する物理的対応は正々堂々たる自衛的措置」として「物理的対応措置に“原点打撃”等で挑戦し立ち向かう場合には、2次、3次の懲罰打撃を迎えることになるだろう」と威嚇した。北朝鮮はまた「反共和国ビラの撒布手段が風船であれ無人機であれ、公開的であれ非公開的であれ砲撃手段の標的となることを免れない」とし、北朝鮮向けビラが撒布されれば近隣住民たちは軍事的打撃圏から離れ、あらかじめ待避するよう警告した。 北朝鮮は昨年10月10日、脱北者団体が京畿道・漣川(ヨンチョン)で北朝鮮向けビラ風船を飛ばすと、これに向かって高射砲10余発を発射したことがある。
合同参謀本部は北朝鮮のこの日の威嚇に対して「もし北側が民間団体のビラ撒布を口実に軍事境界線(MDL)の南側に挑発的行動を敢行する場合、韓国軍は強力且つ断固たる対処をとるだろう」と警告した。