北朝鮮が今年末に金正日(キム・ジョンイル)前国防委員長の3回忌を終えた後、来年からは金正恩(キム・ジョンウン)時代を本格的に軌道に乗せ、主席制と国防委員長制度に代わる新権力構造を導入する展望が出てきた。
慶南大学極東問題研究所は30日に発表した『2015年韓半島情勢報告書』で「金正恩政権が金日成(キム・イルソン)・金正日時代との“差別化”を試みるだろう」とし「労働党創建70周年を迎える来年、党創建記念日(10月10日)に前後して金日成時代の主席制、金正日時代の国防委員長体制のように、金正恩時代に相応しい新権力構造を提示する可能性がある」と見通した。 また、金日成主席の主体思想、金正日国防委員長の先軍思想のように、金正恩時代の独自統治規範も新たに掲げる可能性もあると展望した。
ヤン・ムジン慶南大学(北韓大学院大学兼任)教授は「金日成主席が中央人民委員会を廃止して主席制を作り、金正日委員長は憲法を変えて国防委員会を最高権力機構にした前例がある」として「金正恩も自分だけのブランドを打ち出す可能性がある」と話した。 ヤン教授は「何か独創的な方式を打ち出そうとしているようだ」と付け加えた。
報告書は北朝鮮の経済分野に対して「自然発生的な市場化が改革を圧迫しており、市場経済への移行も時代の流れとして定着する雰囲気」と診断した後「来年の党創建70周年を期して、人民の生活水準向上のための経済措置を出す可能性がある」と予測した。
さらに金正恩体制の強化を誇示するために、金第1書記が来年に中国・ロシアを訪問し、電撃的首脳外交に乗り出すという予想も提示した。 南北関係についても「分断70周年にあたる来年、金正恩第1書記の指導力を誇示するために南北関係の改善を積極的に推進する可能性がある」と展望した。 朴槿恵(パク・クネ)政権も「経済の長期沈滞憂慮、および北東アジア情勢の変化の流れなどを勘案して、南北関係の改善に積極的に取り組むかも知れない」とし、「その場合は5・24措置解除の有無が(関係改善の)カギになるだろう」と報告書は指摘した。