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金正恩自ら米国を猛非難「敵に対し幻想を持てば死が待っている」

登録:2014-11-25 22:02 修正:2014-11-26 14:55
北朝鮮の金正恩国防委員会第1委員長が代表的な反米教育施設である黄海南道信川博物館を訪問し幹部たちに話している。 博物館の壁面には「米帝は信川を強占し52日間に3万5千383人を虐殺」という文が書かれている。 連合ニュース

 国連総会第3委員会の対北朝鮮人権決議案採択以後、金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮労働党第1書記が反米・反人権決議案の行動を明確にしている。決議案の採択直後、外務省と国防委員会など国家機関を全て動員し超強硬対応を予告したのに続き、今度は金第1書記本人が自ら米国を露骨に非難した。 北朝鮮の反発が軍事行動などにつながるのではないかという憂慮も出ている。

 北朝鮮『朝鮮中央通信』は25日、金第1書記の黄海南道信川(シンチョン)博物館での現地指導のニュースを伝え、金第1書記の米国非難発言を紹介した。 金第1書記は、朝鮮戦争当時、米軍が信川郡一帯で大規模な良民虐殺を犯したとし、「米帝こそが人間殺戮を道楽とする人食い人種であり殺人鬼」と荒々しく非難した。彼はまた「造成された情勢などに合わせて反帝・反米教養、階級教養を一層強化し、千万軍・民を反米対決戦に力強く呼び起こすために訪ねてきた」として「敵に対して幻想を持てば死が待っている」と話した。 北朝鮮は朝鮮戦争時に米軍が「信川郡住民の4分の1にあたる3万5千人を虐殺した」と主張し、信川博物館をつくり反米教育の拠点として活用している。

 北朝鮮の最高指導者が自ら米国を非難した内容が公開されたのは異例だ。金第1書記は今月初め、ジェームズ・クラッパー 米国家情報局(DNI)局長を平壌(ピョンヤン)に呼び入れ、米国人抑留者を全員釈放するなど関係改善のための誠意を見せたにもかかわらず、米国は逆に自身を狙った人権攻勢を強化していることに対して強い不満を表したものと見られる。

 金第1書記が自ら「反米対決戦」を前面に掲げたことにより、当分は北朝鮮と米国の関係にも冷気流が流れる可能性が高まった。 最高指導者の不満に応えるために、北朝鮮の国家機関が競争的に対応のレベルを高めることがありうるという展望も出ている。 統一部当局者は「最高尊厳に関わる問題であるだけに、北朝鮮の軍部などが忠誠心を誇示するためにも何らかの行動を取らずに済ませることは困難だろう」と話した。

 これに伴い、これまで緊張感を高めてきた対北朝鮮ビラ散布の危険性も更に高まるものと見られる。チョン・オクシク平和ネットワーク代表は「北朝鮮が中国およびロシアを意識して第4次核実験と長距離ロケット発射などは自制することはありうる」とする一方で、「しかし北方境界線(NLL)での緊張造成、中・短距離ミサイルおよび新型放射砲(多連装ロケット砲)の試験発射、対北朝鮮ビラ散布に対する迎撃射撃など、軍事的緊張を高める行動に出る可能性は十分にある」と見通した。

25日、平壌の金日成広場で国連の北朝鮮人権決議案に対する国防委員会声明を支持し、米国を非難する平壌市軍民大会が開かれたと朝鮮中央通信が報道した。朝鮮中央通信/連合ニュース

ソン・ウォンジェ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/666158.html 韓国語原文入力:2014/11/25 20:49
訳J.S(1310字)

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