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韓国女子高生は制服スカートと制服スラックス、どっちを選ぶ?

登録:2014-11-24 09:22 修正:2014-11-24 09:52
制服スラックスを着た女子生徒(左)と制服スカートを着た女子生徒。//ハンギョレ新聞社

「生徒選択権認定」教育庁指針にも
多くの学校が女子生徒にスカートだけ許容
「男子スラックスはかわいくない」

 「制服業者から買ったスカートなのに学校で短いと言われ罰点までつけられ頭にきました。だから制服スラックスを着ることにしたのだけど、とても楽です。これからもずっと着るつもりです」

 ソウルのある高校に通う2年生のソン・ジスさん(18)は今年の1学期から制服スカートの代わりにスラックスを着始めた。満足感は十分。ソンさんは「友だちにもスラックスを薦めている」と話した。

 一方、イさん(18)は学校が制服スラックスを認めないのが不満だという。スラックスを着たがる理由は単純だ。「スカートはスラックスに比べ行動する時に不便だし、冬は寒いです」。イさんの学校はスカートに運動服のジャージパンツを重ね着すると罰点が科される。

 今年の冬も「制服スカート派」対「スカート・ズボン選択派」の論争が起きている。「女子生徒にもスラックスを着れるようにすべきだ」という要求が出始め10年が過ぎた。 昨年はある女子生徒がスカートしか認めない校則が人権を侵害しているとして国家人権委員会に陳情を出すこともあった。2014年冬、女子生徒のスカート・スラックス選択権はどれほど保障されているだろうか。

 市・道教育庁が一線の学校に送った「制服選定・変更購入などに関する指針」には、「学生、父兄、教員の意見を反映して生徒がスカートとスラックスを選択・着用できるようにする」と明示されている。だが、一線の学校でスカートだけを認めると決めれば生徒たちは従うほかはないのが実情だ。ソウル市教育庁制服担当奨学官は23日、「管内318の高等学校のうちの半分ほどが制服スラックスの着用を制限していると推算される」と話した。両性平等の観点から学生たちの選択権は保障されねばならないが、保守的な教育現場は簡単に従おうとはしない。

 制服スラックスを自由に選択できるようにした学校でも、女子生徒はすぐスラックスを着ることはないという。制服業者がスカートしか売っていなかったり、学校がスカートだけを共同購入する場合が多く、スラックスを着たければ男子生徒のスラックスを買って詰めて着るしかない。煩わしいだけでなく、単純に制服と言っても「スタイルとフィット」に“命”をかけようとする思春期の女子生徒には有り得ないことだ。高校2年生のキムさん(18)はこう話す。

 「制服スラックスというのもあるけど着ません。男子生徒のスラックスを詰めて着なければなりませんよね。絶対かわいくないです。だから寒くてもスカートを着ます」

 みんなスカートを着ているのに自分一人だけスラックスを着たら、なにか問題があるように見られて視線が負担になるという。中学2年生のヒョンさん(15)は「女性っぽくない気がして着ません。主に“ボーイッシュ”な感じの子がスラックスを着る」と話した。

 服装規定で男女の区別をなくす学校もある。2010年からスカート・スラックス選択権を認めたソウル龍山(ヨンサン)区の漢江(ハンガン)中学校は最近、男子生徒のようにネクタイを締めたいという女子生徒の意見が多くでたため学校運営委員会を開くことにした。ソン・ドクヒョン漢江中学校長は「自分の思いのままに選んで着れるように生徒たちには選択権を与えるべきです。スカートでもスラックスでも強制することは性差別と人権侵害になる」と話した。

文・写真オ・スンフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2014.11.23 22:06

https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/665723.html 訳Y.B

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