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[社説] 北韓の無謀な‘開城工業団地 中断’直ちに撤回を

登録:2013-04-08 21:11 修正:2013-04-09 09:48

 北韓当局が昨日、開城(ケソン)工業団地で働く北側労働者を全員撤収させ、開城工業団地事業を暫定中断すると発表した。 2003年に着工し翌年初めて製品を搬出して以後、こうしたことは初めてだ。 10年にして開城工業団地事業が北側の一方的措置によって最大の危機を迎えた。 北側は無謀な決定を撤回し、直ちに工業団地の稼動を正常化すべきだ。

 北側の今回の措置は全く合理的でない。 キム・ヤンゴン労働党対南担当秘書は 「南朝鮮当局と軍部好戦者らが我々の尊厳を冒とくし開城工業地区を北侵戦争挑発の熱点にしてみよう」としていると主張した。 これには何の根拠もない。 朴槿恵(パク・クネ)政府は開城工業団地の維持・発展方針を明確にしてきたし、国際化計画まで明らかにした経緯がある。 キム・クァンジン国防部長官が言及したという人質救出作戦を口実としたのもゴリ押しだ。 北側が開城工業団地で働く南側関係者たちを長期間抑留する状況が発生しなければ人質救出作戦などはあるはずもない。 彼が‘開城工業団地は北韓のドル箱’という南側保守勢力の主張を挙論したことも常識的ではない。 今はむしろ朴槿恵政府がそうであるように保守勢力もほとんどが開城工業団地の必要性と価値を認めている状況だ。

 北側は全般的な危機水準を高めるために今回の措置を取ったようだ。 軍事的な対立を中心にした危機状況で、非軍事的な開城工業団地カードを使ったのだ。 これは大きな誤りだ。 危機と関係のない民間部門を人質として活用したも同然であるためだ。 北側は「今後、事態がどうなるかは全面的に南側当局の態度如何にかかっている」と言ったが、開城工業団地事業と関連して南側当局のどんな態度を言っているのか理解できない。 何でも威嚇用として使えるものは使うということなら南北間の基本的な信頼も揺れることになる。

 開城工業団地は南北首脳が合意して作ったところだ。 この間、南北間に武力衝突があった時も稼動していた事実からわかるように、南北が共に商品を生産する段階を越えて、韓半島の平和と南北関係増進に寄与する核心手段でもある。 このような共存共栄の事業を一方的に中断するということは、既存のすべての約束を破ってしまうことに他ならない。 このような態度では6・15共同宣言と10・4首脳宣言に対する尊重を語る資格はない。 開城工業団地には南側の人々だけでなく5万3000人の北側労働者が共に仕事をしている。 北側当局はこれら労働者の働き口まで奪い取ろうとしているわけだ。

 わが国政府の適切な対応が至急求められている。 責任ある北側当局者と接触し、北側の真意が何かを把握することが急務だ。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/581903.html 韓国語原文入力:2013/04/08 20:54
訳J.S(1227字)

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