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　イ・ゴンヒ 三星(サムスン)電子会長が今年に入って6回目の日本訪問を終えて去る3日帰国した。 三星側はイ会長の頻繁な日本訪問について「日本財界の知人たちと会って経営戦略と事業構想を整えている」と伝えた。 三星電子を日本抜きで説明することは難しい。 三星電子は1969年の設立と同時に日本のサンヨー、日本電気などとの合作を通じて成長の足場を固めてきたし、1983年半導体産業本格進出も‘東京宣言’を通じてなされた。

　三星電子は世界的な企業に成長したが、三星電子の師匠格である日本の電子産業は 「ヒューズが飛んだ」(英国<ファイナンシャルタイムズ> 2日付‘レックス コラム’)。日本を電子王国に上らせたビッグ３、パナソニック・シャープ・ソニーが墜落している. パナソニックは今年(2012年4月～2013年3月) 7650億円(10兆4000億ウォン)の大規模損失を記録するものと展望される。 昨年に続き再び大規模損失を出し20年間に積み上げて来た純利益を最近2年間で一度に失うことになる境遇だ。 パナソニックの津賀一宏社長は「私たちはテレビなど本業で負け組になった」と話した。

　シャープもやはり今年史上最大である4500億円の赤字を記録すると予想した。 ソニーは去る4～9月に401億円の損失を出し7分期連続で赤字だった。 その上、ソニーは今年200億円の黒字転換を期待しているものの、市場専門家たちは悲観的だ。 キャピタルIQの集計で、これらビッグ３は5年間で以前の18年間の純益に匹敵する3兆7000億円の純損失を記録する展望だ。 このために去る2日、米国の信用評価社スタンダード アンド プアーズ(S&P)はパナソニックの信用等級をA-からBBBへ二段階降格し、フィッチはシャープの信用等級をBBB-から投資非適格等級であるB-へ6段階も下げた。

　世界最高の技術を誇った日本企業らがあっという間に崩れた要因として、いわゆる‘ジャラパゴス’(Jalapagos)が挙げられ. 1990年代以後、日本(Japan)製造業があたかも南太平洋のガラパゴス(Galapagos)諸島のように世界市場から孤立し、内需だけに固執した結果ということだ。 国内市場だけでもほどほどの収益を出せた結果、世界的な流れを無視して人里離れた島に閉じこもって国際競争力を失ったことを表現する造語だ。

　テレビ市場でパナソニックはプラズマ ディスプレイ パネル(PDP)が主力製品になると見て2009年に世界最大規模のPDP工場を作ったが、液晶表示装置(LCD)が大勢になり工場稼動が中断された。 シャープは2007年に大阪に世界最大規模のLCD工場建設に乗り出し1兆円以上を注ぎ込んだが、最近台湾の鴻海(ホンハイ)に譲渡しようと努めている状態だ。 ソニーもやはりテレビ用LCD調達のために三星電子と合作してS-LCDを作ったが昨年末に手を引いた。 後発企業等が低価格攻勢を繰り広げるテレビ事業に大規模投資を決めたことが判断ミスだったという指摘だ。

　これら業者の一部では‘円高’が輸出競争力を落としたと主張してきた。 2000年代中盤、ドル当り100円に達し日本円の価値が落ちると‘円安時代’と誤認して国内生産施設に投資し、ドル当り70円台に再び上昇して輸出競争力を喪失したという主張だ。 しかしファイナンシャルタイムズは「すでに去る10年間、日本ビッグ３の売上増加率は平均2%にとどまっており、日本円の価値が今よりはるかに低い時から問題は始まっていた」と強調した。

　三星電子は半導体・スマートフォン市場を席巻し全盛期を謳歌しているが、日本企業等の没落を他山の石としなければならないという指摘が出ている。中国後発企業等の熱い攻勢を正面から受けて、市場を追いかけて行くことから抜け出し、市場を創造して先行しなければならないという危機意識も高まっている。 財界でイ・ゴンヒ会長の頻繁な日本訪問に注目するのもそのためだ。

　ＬＧ電子はすでに一歩出遅れたスマートフォン市場対応で危機感が強まった状況だ。 ク・ポンム会長は今年に入って繰り返し「市場先導企業になるために責任経営を強化し、系列会社に力量を結集する一方で厳格な成果主義を適用しなければならない」と強調している。 電子業界のある関係者は「わが国の企業らがテレビとスマートフォンなどで世界的な競争力を誇っているが、非常に速い電子業界の変化速度についていかなければならず、今後は流れを自ら切り開いていかなければならない時になった」として「日本メーカーの墜落が他人事ではない」と話した。

キム・ジンチョル記者 nowhere＠hani.co.kr