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"イ・ペクスン銀行長の指示で準備…MB就任 5日前 伝達"

登録:2012-07-16 09:23

原文入力:2012/07/16 08:17(2397字)

新韓銀行‘イ・サンドクにMB祝い金’疑惑
南山(ナムサン)で金を渡した職員ら 証言
"007カバン3ヶに1億ずつ入れて"
検察調査後、親しい幹部が訪ねてきて
"3億ウォン陳述翻意を懐柔し
SDに渡ったと言った"

 "被告人イ・ベクスンは2008年2月中旬、○○○にあらかじめ準備しておいた現金3億ウォンが入った現金カバン3ヶをソウル、中区(チュング)、獎忠洞(チャンチュンドン)、南山(ナムサン)自由センター正門駐車場に持ってくるよう指示した。 ○○○は駐車場入口でイ・ベクスンに会い、彼の指示に従って後から到着した‘姓名不詳者’の乗用車のトランクに現金カバン3ヶを運び入れた。"

 2010年新韓銀行横領・背任事件に関する検察控訴状の一部だ。 検察は当時イ・ベクスン(60)新韓銀行長が3億ウォンを何者かに伝達した事実は確認したが、ついに‘姓名不詳者’を探し出せなかった。金を引き出して伝達した人はいるが、実際に受け取った人も現金も‘蒸発’したわけだ。 <ハンギョレ>は2010年検察捜査記録と関連者インタビュー等を通して当時南山(ナムサン)自由センターで行われた3億ウォン伝達と懐柔工作の状況を再構成した。










↑左からイ・サンドク前議員、ラ・ウンチャン前会長、シン・サンフン前社長、イ・ベクスン前銀行長

■ 3億ウォン、当選祝い金?

 2008年1月中旬、新韓銀行職員K氏に一通の電話がかかってきた。 イ銀行長だった。 彼は 「ラ・ウンチャン会長の指示だから3ヶ準備しろ。 後で連絡するから持ってこい」と言った。 ‘3ヶ’とは3億ウォンを意味した。 K氏は新韓銀行在日同胞株主2人などに「しばらく借りて使う」として、口座から2000万ウォン未満で何回も引き出す方式で2週間で3億ウォンを用意した。 金融情報分析院(FIU)の追跡を避けるためだった。 K氏は‘007カバン’一ヶに1億ずつ、3ヶで3億ウォンを入れた後、風呂敷で包み事務室の金庫に保管しておいた。

 李明博大統領就任式の6日前の2008年2月19日午後、業務時間にイ銀行長が電話をかけ 「明日午前6時、南山自由センター駐車場に準備した金を持ってこい」と言った。 翌日、K氏は同僚のN氏と明け方早くに会って事務室の金庫から現金カバンを取り出し乗用車のトランクに載せ南山自由センターに車を走らせた。

 駐車場入口に到着した時刻は午前6時頃。 夜明け前なのでまだ薄暗かった。 10分後、スーツ姿のイ銀行長が会社が支給した車両であるオフィラスを直接運転して到着した。 イ銀行長はK・N市に近づき「手招きしたら持って来い」と言った後、自分の車に戻り誰かに電話をした。 午前6時20分頃、濃厚なグレーの中型車1台がイ銀行長とK・N氏の車両の中間地点に停まった。 車間距離は20~30mであった。 車から降りた人物は40代初めの男性でもじゃもじゃ頭にジャンバーを着ていた。

 この男性としばらく話を交わしたイ銀行長は手招きをした。K・N氏は現金カバン3個を分けて持ち、早足で近付き40代男性の車両のトランクに入れた。 この男性は‘作業’が終わると直ちに奨忠体育館交差点側に走り去った。 K氏は「李明博大統領就任直前なので当選祝い金として渡したのだろうと思った」として「現金授受の手伝いをさせられていると感じ、意識的に相手の車両番号を見ないようにした」と話した。

■ “SDに渡ったので、陳述はなかったことにしろ”

 ‘完全犯罪’として葬られるところであったこの事件は、2010年9月新韓銀行がシン・サンフン(64)当時新韓金融持株社長を告訴したことにより火がついた。 シン社長の横領額と主張した15億ウォンの中に3億ウォンが含まれていたためだ。 この事件を捜査したソウル中央地検金融租税調査3部は同年9月13日、N氏から3億ウォンの伝達経緯に関する詳細な陳述を確保した。 翌日の14日、新韓銀行理事会でN氏が検察で3億ウォンに関連した陳述をしたという内容が知らされた。N氏は検察調査以後、業務のために日本に出国した。

 その1ヶ月後である10月13日、N氏と親密な新韓銀行のあるPBセンター長イ・某氏が日本に突然訪ねてきた。 彼らは日本、東京の韓式食堂‘青瓦’で夕食をした。 イ氏はN氏に「南山自由センター3億ウォンがどこへ行ったと思うか。SD(イ・サンドク前議員)に行ったという。 君はそこ(南山自由センター)に行ったこともなく、3億ウォンを渡したこともないと言え。 イ前銀行長は3億ウォンについては知らないことにしろと弁護士と話がついた」と陳述翻意を促した。 イ氏の宿舎であるリッツカールトンホテルの部屋に場所を移した後、イ氏はN氏に‘私は3億ウォンに関して何も知らず、南山自由センターに行ったこともない’という陳述書を差し出し印鑑を捺すように言った。 しかしN氏はこれを断った。

 その後、N氏は再び検察の調査を受ける時にイ氏の懐柔試図を陳述したが、イ・サンドク前議員の名前には言及しなかった。N氏は「当時、新韓銀行事件があまり大きくなるかと思い率直に話すことに負担を感じた」と話した。 これについてN氏を懐柔した疑いを受けているイ氏は「誰の指示を受けたのでもなく、大学の後輩であるN氏が心配になって訪ねて行った」として「N氏に‘上がさせたと言って君は抜けろ。 政治資金なら大変なことになる’と話しただけ」と語った。 キム・ジョンピル記者 fermata@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/542649.html 訳J.S