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[社説]清渓川の原状復旧は長い目でみてきちんとすべき

登録:2012-02-27 12:35
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/520897.html

原文入力:2012/02/27 08:33(1511字)
 パク・ウォンスン ソウル市長は、復元事業後に論議が続いている清渓川(チョンゲチョン)の生態環境と歴史文化遺跡の原状復旧作業に取り掛かる予定という。パク市長は明日現場を直接現地調査して清渓川の現状復旧のためのマスタープランの準備に入る計画だ。

 2005年10月に完工した清渓川の復元事業は当時ソウル市長だった李明博大統領の政治的成功の基盤になった野心作だ。また李大統領政権になってから天文学的な資金を注ぎ込んだ4大河川事業の母胎でもある。そうであるからパク市長の‘清渓川歴史文化・生態復元作業は、ややもすると‘前任者の跡を消す’ためにも映る。まともに復元作業するには途方もない予算もかかるだろう。だが歴史的な由緒がすべて壊された‘不毛の人工漁港’をこのままにして置くことはできない問題だ。
 事実、清渓川の過去の姿への復元は李明博市長が清渓川工事を始めた時から掲げたスローガンだったが市長任期内の完工という無理な目標に合わせたため、まともに具現されなかった。当時専門家たちは時間がかかっても清渓川周辺に散在した多くの歴史遺跡をきちんと調査して発掘・復元しなければならないと主張したが徹底的に黙殺された。 工事過程で出た遺物は復元どころか中浪区(チュンナング)の下水最終処理場近くの空地に放置されている。生態面でも、清渓川に流れ込む支流を生き返らせて生態系を蘇らせようというのが市民社会団体と専門家たちの主張だったがコンクリート構造物で底と壁を覆って、そこに電気モーターで汲み上げた漢江(ハンガン)の水を流す方式になってしまった。結局、清渓川は復元以後に多くの人々が訪れる名所として定着したが、多様な生物の生息地にはなりえない人工漁港となってしまった。このような弱点を隠すために魚を放流してその欠陥を隠そうとする試みまであったほどだ。
 パク市長の原状復旧構想はこのような反生態的で反歴史文化的な構造をできるだけ生態的、歴史文化的な構造に変えるということだ。だが、これは決して容易な作業でない。特に生態復元は歴史遺跡の復元よりはるかに難しいというのが専門家らの見解だ。そのためパク市長としては短期間に成果をあげようという考えを捨てる必要がある。任期中に全てを終わらせようという前任者の性急な性質はいい反面教師だ。水標橋(スピョギョ)など主な遺跡と下水最終処理場に捨てられている発掘石垣を本来の場所に戻しておくことや、生物の産卵と繁殖が可能なまでに水質環境を改善する作業も非常に貴重な成果をあげるだろう。時間はかかっても粛々とした復元作業により清渓川が少しずつ昔の姿を取り戻すことを期待する。

原文: 訳T.W