https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/517427.html原文入力:2012/.0/2.03 19:22(1257字)
民主統合党の全党大会の金入り封筒事件の捜査に過剰な意欲を見せた検察が果たして白旗を揚げてしまった。防犯カメラの録画だけを見ていきなり民主統合党の総選挙の予備候補であるキム・キョンヒョプ氏の事務室を家宅捜索したが、金入り封筒でなく出版記念会の招待状である事実が明らかになると捜査の中断を宣言したのだ。ナンセンスなお笑い並みの結末だ。
今回の事件は偏向した政治意識、見込み捜査のごり押し、人権軽視、基本もまともに持ち合わせないいいかげんな捜査能力など検察が抱いている総体的な問題を赤裸々にした事例だ。
検察が捜査を中断しながら‘内偵終結’と表明したことからして、本質をごまかしているものだ。内偵の範囲がどこまでかについては専門家たちの間に議論があるが、おおやけに事務室を家宅捜索して関係者に検察への呼び出し通知までしたことを内偵と言うのは話にならない。ここにいたっては、検察はでたらめな捜査で被害を受けた民主党とその関係者にきちんと謝罪するのが常識だ。しかし検察の発表にはまったくそのような文言は見られない。反対に検察は捜査中断を "苦悩にみちた決断" と自画自賛したので、これ以上何も言う言葉がない。
検察のあきれた御門違いな誤認捜査は、ハンナラ党(セヌリ党)の金入り封筒事件とバランスをとるという強迫観念から判断力が麻痺したために始まった。当時民主党の党大会が行われた会場の廊下ではキム・キョンヒョプ氏でなくとも他の予備候補数人も招待状を配ったという。周辺の聞き込みや情況分析などの捜査の基本だけでもまともにしていたら、このようなあきれる誤認はしなかっただろう。民主党に対して粗探しする捜査でハンナラ党の金入り封筒事件を目立たないようにしようとする間違った忠誠心が正常な判断を誤らせたと見るほかない。
軽率に捜索令状を出した裁判所も責任を避け難い。裁判所としては検察が令状の請求書にそれらしく記した捜索理由を元に判断したのだろうが、結果的に検察が主役を演じた茶番劇の脇役になってしまった。検察の政治的な偏向などを考慮して今後令状の発給にいっそう慎重でなければならないことを悟らせた事例だ。
野党に対する検察の狙い打ち捜査はすでにハン・ミョンスク民主党代表の贈賄疑惑事件などを通してうんざりするほど見てきた。それなのに反省の兆しは全く見られない。かえって失策を挽回する欲にかられて、また別のむちゃを強行するのが検察だ。ちょうど大邱(テグ)の選管が民主党大会の当時の大邱地域のハン委員長がハン・ミョンスク候補の支持を訴えて金品を提供した疑いで摘発したとして、検察に捜査を依頼したという。検察は再び‘折れた刃’という皮肉を聞かないように自重自愛することを望む。
原文: 訳T.W