キム・ゴンヒ女史が第20代大統領就任式に招待した人物のうち、少なくとも4人が尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権発足後に文化体育観光部傘下の機関の長に任命されていたことが分かった。コバナコンテンツを経営し、長きにわたり展示業界に携わってきたキム女史の影響力が作用したことが疑われる。
ハンギョレが25日に確保した「20代大統領就任式招待名簿」を確認すると、2022年5月10日にソウル汝矣島(ヨイド)の国会議事堂で行われた尹錫悦大統領の就任式にキム女史名義で招待された人物には、国立博物館文化財団のチョン・ヨンソク社長と国立世界文字博物館のキム・ソンホン館長が含まれている。韓国芸術展示企画社協会の会長を務めたこともあるチョン社長は、大統領室文化体育秘書官室の先任行政官を務めていた昨年10月に、無観衆で行われた釜山(プサン)世界博覧会誘致祈願公演をキム女史に事実上1人で観覧させたという「皇帝観覧」に関与したことが知られている。檀国大学の元教授のキム館長は、職員たちに一時間早く出勤させてコーヒーを入れさせたり、業務と関係のない合唱練習をさせたりし、パワハラ批判を浴びている。
過去に学歴偽造事件で修士・博士学位が剥奪され起訴されているソウル芸術団のキム・オンナン理事長、アニメーション「ポロンポロンポロロ」の共同著作権者でもある国立シンフォニーオーケストラのキム・イルホ理事長も、キム女史招待名簿に名がある。シンフォニーオーケストラの理事陣には、コバナコンテンツの展示会の祝賀公演を少なくとも3回行い、尹大統領就任式の公演にも参加した声楽家のL氏もいる。
キム女史の招待名簿には、文体部での勤務歴が長く、外国人専用カジノ「セブンラック」を経営する同部傘下の公共機関であるグランドコリアレジャー(GKL)の革新経営本部長に移籍していたチョン・ビョングク氏も含まれている。同氏は尹錫悦政権発足後、文体部第1次官に起用されている。文体部第1次官は傘下の公共機関の運営を管理する企画調整室を管轄する。文体部が任命する傘下機関の長にキム・ゴンヒ人脈が複数任命されており、その実務を総括する地位もキム・ゴンヒ人脈で占められていたわけだ。これについて文体部のキム・ジェヒョン報道官は、「長官が内外の様々な意見を取りまとめて当該機関長を任命したに過ぎず、キム女史とは関係ない」と述べた。
共に民主党のカン・ユジョン議員(文化体育観光委員)は、「キム女史の知人が文体部長官任命職に相次いでついているのは、尹大統領の公的地位と人事権を利用した国政への介入であり、国政壟断へと拡大することもありうる事案」だとし、「不適格な天下り人事を防ぐ候補推薦と任命方式の補完が急がれる」と指摘した。