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写真作品に見えますか?…「鳥類虐待」の現場です(3)

登録:2022-06-21 03:44 修正:2022-06-21 10:58
ヤマショウビンの巣穴が何者かによって塞がれてしまった。人工的に作られた巣の近くの止まり木に夫婦が並んでとまっている。落ち着きがなく、巣の前を行ったり来たりしている=漣川 、写真家撮影・情報提供映像をキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 穴に巣を作るアカショウビン、ヤマショウビン、カワセミ、コノハズクなどの巣穴を塞ぎ、餌をくわえて帰ってきたつがいを2羽同時に撮影したりもする。ヒナがいるすべての鳥は、ヒナの安全を図るためにオスとメスが交代で巣の周囲を警戒し、餌をやるのが普通だ。

 巣に接近する際には周囲の枝を飛び石にして密かに動き、出てくる際には急いで出てくる。敵に巣の位置が知られないように気をつけているのだ。鳥たちは巣に入る時と出てくる時に危険にさらされやすい。

アカショウビンが巣の中のヒナに餌を与え、矢のように飛んでいく。天敵に知られないようにするためだ//ハンギョレ新聞社

 しかし、巣の入口が塞がっているため、餌をくわえて帰ってきた親鳥たちは不安で焦り、途方に暮れる。巣に入る直前にとまった指定の枝に、夫婦が餌をくわえて帰ってきて2羽ともにとまることになるのだ。この非正常な様子をもっともらしく演出するために幼いヒナを虐待し、母鳥の母性を刺激する。母鳥は神経質な反応を示しながら悲しげに鳴く。鳥は馬鹿ではない。人間の仕業であることを知っている。

サギの仲間はやや太くて高い木に巣を作る。生い茂っていた一本の木の枝が払われ、コサギの巣が丸見えになった。照り付ける日差しにさらされたヒナが哀れに見える。周囲の邪魔になる木々もすべて除去され、自然破壊まで行われた=江原道春川//ハンギョレ新聞社

 写真家たちは、こうして撮影した写真をインターネットサイト、ブログ、カフェなどに堂々と載せて自慢する。一般の人々はすばらしい生態写真だと感嘆する。命の重さは同じだ。犬や猫の虐待はメディアが大きく報道するが、持続的に行われる鳥類虐待に対しては寛大に思える。

カワガラスは渓流の岩の下の隠れた場所に巣を作る。しかし、ある写真家が岩の真ん中に巣を移してしまっている=江原道洪川郡内面//ハンギョレ新聞社

 動物保護法は動物の虐待を処罰するが、その主な対象は犬や猫のようなペットだ。野生動物は絶滅危惧種や天然記念物のような法定保護種でない限り、虐待を防ぐ条項がない。

強い日差しと天敵の目にさらされるカワガラスの巣。最悪の環境を克服しながら子育てする母性本能が痛ましい=江原道洪川郡内面//ハンギョレ新聞社

 人が育てる動物に対してのみ動物保護法が適用され、自然の隣人として生きている動物には適用されない。命を平等にみないのは、過度に人間中心的な考えではないだろうか。

普通のカワガラスの巣は浅い渓谷の水の落差のある隠れた岩穴にある。丸見えになったカワガラスの写真を発表した写真家には、どのように撮影したのかを必ず問わなければならない=江原道洪川郡内面//ハンギョレ新聞社

 絶滅の危機に瀕する野生生物と天然記念物の保護法はあるが、一般的な野生生物に対する虐待行為、むやみに餌を与える行為、生態系をかく乱する行為などを制限する法律の条項はない。時代の変化に合わせて、生態系が破壊される前に一般的な野生動物に対する保護措置を早急に取ることが求められている。

冬の猛禽であるオオワシ、オジロワシなどを撮影するためにナマズ、コイ、海魚、豚肉などを無分別に散布して生態系をかく乱する一部の写真家たちの行為が横行している=南楊州市瓦阜邑八堂里、写真家情報提供//ハンギョレ新聞社

 鳥類は環境の健全性を計る指標であり、食物連鎖の頂点にある。鳥のいる場所は人が暮らすことができ、鳥のいない場所は人も住めない。命をもてあそぶ非人間的な行為を止めさせるよう、関連法が整備されなければならない。

正常なサンコウチョウの巣。葉の生い茂る木の枝、やや暗い場所が最上の営巣場所だ=京畿道加平県里//ハンギョレ新聞社
木の枝が払われて丸見えになったサンコウチョウの巣=京畿道加平県里//ハンギョレ新聞社

文・写真/ユン・スニョン|韓国野生鳥類保護協会理事長、ハンギョレ環境生態ウェブジン「水風森」執筆者

撮影ディレクター/イ・ギョンヒ、キム・ウンソン (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/animalpeople/wild_animal/1047654.html韓国語原文入力:2022-06-20 11:12
訳D.K

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