本文に移動

階層上昇 通路狭まる

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/396086.html

原文入力:2009-12-29午後08:27:11
KDI “私教育深化で両親経済力の影響大きくなる”
1998~2007年 継承比率 30%

アン・ソンヒ記者

現在30代中・後盤世代までは両親が貧しくとも、本人の努力により上位階層に上がることができる可能性が高かったが、今後は両親の経済力が子供の人生を左右する程度がますます強くなるという指摘が出た。教育が階層上昇のはしごの役割をするよりは経済的地位の継承通路に変わっていきつつあるためだ。

韓国開発研究院(KDI)キム・ヒサム副研究委員は29日‘世代間経済的移動性の現況と展望’ という報告書で1998~2007年に追跡調査された父親と成人した子息447組の賃金・所得情報を活用し、経済力継承程度を分析した。その結果、父親の月平均賃金が2倍高いカップルは、息子の月平均賃金も14.1%高いという結果が出てきた。また、子息が父親の経済的地位を受け継ぐ継承比率は約30%であり、残り70%の半分は上側に、半分は下方に移動したと分析された。

こういう分析結果を外国と比較してみる時、我が国は世代間階層移動が活発な方だと報告書は評価した。英国,米国,ブラジルなどは世代間移動の可能性が低い方で、我が国をはじめとしてフィンランド,スウェーデン,オーストラリア,カナダなどは高いほうだ。報告書は「産業化以後30代中・後盤世代までは急速な経済発展のために上位職種の働き口がたくさん作られたうえに、教育機会の公平性が高まり両親の社会経済的地位が低い人でも教育という ‘太い綱’ を通じてこういう働き口に対する接近が可能だった」と評価した。

だが報告書は今後はこういう状況が変わる可能性が高いと憂慮した。わが国の経済が ‘雇用なき成長’ 局面に入り込み、全体雇用数の増加自体が振るわない。その上、私教育市場の深化により両親の経済力が子供の教育に及ぼす影響が大きくなり、高所得層の子供の名門大学進学比重が高まっている。不動産などで財産を増やした両親が子供に直接経済力を譲る現象も活発になりうる。

キム副研究委員は「両親の社会経済的地位が次世代の未来を決定する構造を遮断することは、社会統合のために重要な課題」として「政府は低所得層のための公的奨学金を拡充し階層間・地域間教育格差を減らすなど ‘機会の均等’ のための努力をしなければならない」と強調した。

アン・ソンヒ記者shan@hani.co.kr

原文: 訳J.S