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ソウル市、最大約87億円投じて「新型コロナ」防疫に総力

登録:2020-01-29 01:30 修正:2020-01-29 07:43
ソウル、確定患者1人、隔離20人
28日、マルコ・マルトゥッチ世界保健機関(WHO)アジア太平洋環境保健センター長と新型コロナウイルス感染症について議論するソウル市のパク・ウォンスン市長=ソウル市提供//ハンギョレ新聞社

 ソウルで新型コロナウイルス感染症の患者が1人確認された中、ソウル市は最大948億ウォン(約87億6000万円)をかけて防疫に取り組むなど、拡散防止のために総力を傾けている。

 ソウル市は28日午後「新型コロナウィルス感染症総合対策3次会議」を開き、「発生地中国の初動対応が事実上失敗したものと見られ、拡散のスピードなどを考慮すると深刻な状況が憂慮されるため、政府と協力して『先制的対応』を基調とした総力をあげた対応が必要」として、対応体系の強化策を打ち出した。ソウル市によると、同日午前9時現在、ソウルの新型コロナウイルス確定患者は1人、接触者は77人、隔離対象者は20人。

 ソウル市はまずマスク、手洗い用洗浄剤、防疫服、熱画像カメラなどを導入するため、167億ウォン(約15億4000万円)を投ずる。市は条例によって、最大948億ウォンの災難管理基金を防疫物品の購入に投ずることができる。

 市が備蓄しているマスクは7万個で、市は28日から高齢者などの感染症脆弱階層に優先的に3万5千個、バスターミナルなど市民が多く集まる施設に3万5千個を配っている。殺菌剤500個、ウェットティッシュ3500箱、三重輸送容器2500個などのその他の防疫用品も29日から各区の保健所で配布される。また、ソウル市内の病院や保健所に対し、保有する熱画像カメラ計99個の使用を要請した。

 公共交通の防疫計画も立てている。市はソウル地下鉄の全駅舎に手を消毒するためのアルコール消毒剤を2~3個置き、地下鉄駅舎および列車に対する防疫も1日に2回実施する。バスにもアルコール消毒剤を配備し、空港バスと市内・地域バスも防疫清掃を実施する。段階的に地下鉄・バスなどに一日にマスク156万個、手の消毒剤1万2247個を置けるようにする予定だ。

 また脆弱階層に向けては、独居高齢者2万9600人を対象として生活支援士2594人が感染症に備え安否確認等を行い、新型コロナウイルスの予防行動要領を週に2回案内する。発熱やせきなどの異常症状が現われれば、保健所に連絡を取る。また、長屋街の住民に向けては、東子洞(トンジャドン)、永登浦(ヨンドゥンポ)などの長屋街に対する防疫消毒を実施し、住民パトロールチームが毎日住民の健康を確認する。

 新型コロナウイルスによる入院患者および自家隔離者に対しては、ソウル市が物品、生計費など最大200万ウォン(約18万5000円)のソウル型緊急福祉を支援する。

チェ・ユンテ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/area/capital/925963.html韓国語原文入力:2020-01-28 19:47
訳D.K

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