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日本では昼間に作業しているのに…明け方労働が招いた清掃員の死亡事故

登録:2017-11-17 23:54 修正:2017-11-18 08:36
16日未明、光州市南区でゴミ回収車の後輪に轢かれ死亡 
清掃員、午前5時からの勤務構造を変えるべき 
日本では午前7時40分出勤、午後4時25分退勤 
「民間委託方式廃止して公営化し直接雇用」要求
光州広域市のユン・チャンヒョン市長が2015年のある日の明け方、環境美化員と共に生活ゴミを回収車に載せている=光州市提供//ハンギョレ新聞社

 またも早朝に清掃作業をしていた環境美化員(清掃員)が死亡した。今回も“明け方勤務”が招いた惨事であった。

 16日午前6時40分頃、光州(クァンジュ)広域市南区老大洞(ノデドン)の路上で環境美化員S氏(59)が生活廃棄物収集運搬車両(回収車)の後輪に轢かれて亡くなった。警察は「S氏が車に乗っていると錯覚した回収車の運転者K氏(47)が、車を後進させて発生した事故」と明らかにした。昨年12月15日未明にも光州広域市北区雲岩(ウナム)高架下の道路で、環境美化員A氏(56)が、飲酒運転手の車に轢かれて亡くなったばかりだ。光州市の5区庁の家庭環境美化員(551人)は、午前5時から午後3時まで勤務する。光州市環境生態局関係者は「仕事を遅く始めれば出勤途中の車両のためにゴミの回収がはかどらず、道路が汚らしくなって苦情が寄せられる」と話した。生活廃棄物処理場の搬入時間(午後2~3時)に合わせるためにも明け方勤務をしている。正義党の光州市党は17日、声明を通じて「今回の事件は運転手ひとりの責任ではない」として「環境美化労働者の明け方労働を廃止しなければならない」と主張した。

 環境美化員の明け方労働は、全国の他の地域にも多く見られるが、そうでない所もある。京畿道儀旺市(ウィワンシ)の街路環境美化員35人は、午前7時に出勤し午後5時に退勤する。きわめて特別な場合を除いては週末勤務をしない。儀旺市清掃衛生課関係者は「明け方勤務をしなくとも、市民からの苦情はほとんどない」と話した。日本では東京の環境美化労働者も朝7時40分に出勤し午後4時25分に退勤している。

 環境美化員は“違反”と知りながらも回収車の後に掴まって移動して事故に遭うケースもある。日本では事故予防のために、回収車の前進と後進の時には誘導作業者を配置しているのとは対照的だ。正しい政党のハ・テギョン議員が今年の国政監査で勤労福祉公団に提出させた資料によれば、2015年から今年6月まで交通事故など各種災害で死亡し労災申請をした環境美化員は27人に上る。同じ期間の身体事故災害現況は766件と集計された。仕事をして錆ついた釘が刺さって破傷風で亡くなった事例もある。

 後進国型の環境美化員事故をなくすためには、地方自治体が環境美化業務を直営すべきだという声もある。政府が1998年から各自治体の生活ゴミ処理業務を民間業者に委託できるようにしてから、勤務条件がさらに悪化したためだ。昨年から今年まで光州市で死亡した環境美化員2人は共に民間委託業者所属だ。

 光州では光山(クァンサン)区庁が2014年に全国で唯一、施設管理公団を設立し翌年から環境美化員(153人)を直接雇用している。ミン・ヒョンベ光山区長は「2014年に民間業者に委託していた時は費用が98億ウォンかかったが、2015年の直営以後は92億ウォン程度」として「直営転換後に費用はむしろ減ったし、市民サービスはより良くなった」と話した。

光州儀旺/チョン・デハ、キム・ギソン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/819534.html 韓国語原文入力:2017-11-17 17:15
訳J.S(1557字)

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