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[社説]‘バングラデシュ 流血 労使紛糾’と国際的労働搾取の鎖

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/453580.html

原文入力:2010-12-13午後08:32:14(1079字)

韓国企業 ヨンウォン貿易現地工場を中心に始まったバングラデシュ労働者の示威が流血事態に拡大した。去る土曜日、チッタゴン輸出加工工業団地で始まった示威が首都のダッカなどに広がりながら労働者3人が亡くなったという。事態はひとまず鎮静局面に入ったようだが、いつまた悪化するか予測は難しい状況だ。

今回の事態の直接的な原因は最近施行された最低賃金引き上げ措置に対する労働者の不満だという。バングラデシュ政府は最近、法定最低賃金を月1662タカ(約2万7000ウォン、約2000円)から3000タカ(4万8000ウォン、約3600円)へ80%上げた。5000タカに上げることを要求した労働界は全般的な賃金水準、特に全体労働者の大多数を占める衣類労働者の賃金が依然として世界最低水準だと主張する。引上げ率に対する不満が蔓延した状況で一部企業が適時に賃金を引き上げなかったために労働者の不満が広まり始めた。その上、経験の多い熟練労働者たちが自分たちの賃金も同じ割合で上げてくれと要求し状況が最悪に上り詰めたという。

事態をさらに複雑にしたのはバングラデシュ自らの力だけでは低賃金を根本的に解消しにくいという点だ。輸出の80%程度を占める衣類産業は事実上 外国企業の影響下にある。ヨンウォン貿易のような外国人直接投資法人または外国有名業者に納品する現地企業がそれらだ。結局、バングラデシュの労働者たちは国際的な労働搾取の鎖の最底辺にいるのだ。

こういう側面で今回の示威は通常でない側面がある。低賃金を土台に世界の工場の役割をした中国で賃金引き上げ要求が強まると、今度はバングラデシュでも似た紛争が起こった。多国籍企業の略奪的賃金搾取に対する抵抗が国境を越えて広がっているわけだ。今や多国籍企業が社会的責任を認識しバングラデシュの低賃金解消に積極的に協力する時にのみ根本的な解決策が用意されうる状況だ。

そのためには現地主要企業体であるヨンウォン貿易の態度も重要だが、会社側の対応は期待に沿っていない。現地マスコミの報道によれば、会社側は事態がさらに悪化すれば工場を完全閉鎖することもありうると表明したという。それが事実ならば事態を沈静させるより悪化させかねない。社会的責任を認識する合理的で前向きな対処を促す。

原文: 訳J.S