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[社説]“毛沢東隊列”に上がった習近平、強大国に相応しい責任を

登録:2017-10-24 23:58 修正:2017-10-25 08:10
中国の習近平国家主席(中央)が24日、北京の人民大会堂で開かれた19回中国共産党全国代表大会の閉幕式で拍手している=北京/AFP聯合ニュース

 習近平が毛沢東と同じ隊列に上った。24日に閉幕した第19回中国共産党全国代表大会で、習近平国家主席の統治理念である「習近平新時代中国特色社会主義思想」が党憲に公式に挿入された。「習近平思想」は、マルクス・レーニン主義、毛沢東思想、トウ小平理論、三つの代表論、科学的発展観に続いて編入されたが、理念順序(主義-思想-理論-観)から見れば、習主席はトウ小平を抜いて毛沢東級の指導者になったことがわかる。執権2期の習近平の指導力は一層強固になることが明らかだ。生前に自身の名前の付いた指導思想を党憲に入れたのも毛沢東と習主席だけだ。

 習近平思想とは、経済・政治・文化・社会・生態文明建設の「五位一体」を目標にし、その過程で小康(豊かな生活)、深化改革、為法治国(法治主義)、従厳治党(厳格な党管理)の「四つの全面」戦略を注文するものだ。一言で「中華民族の偉大な復興」が至上課題だ。そのためには強力な推進力が必要なので権力集中が必須だというものだ。習主席が慣例を破って次期後継者を指名しないのも「習近平1人体制」の強化に一役買うものと見られる。

 習近平2期を眺める世界の視線は複雑だ。今回の党大会が、中国がこの間に見せた「強国中国」と「中国の特殊性」を強調する方向を堅持しただけに、国際社会に対する責任に関する関心はおろそかにされるとみられるためだ。全世界が望むのは、軍事力と経済規模で世界2位の中国が、主要2カ国(G2)の地位に相応しく国際社会に対する責任感を鼓吹することだ。また、通商・特許などの問題でグローバル基準を遵守し、対内的には民主主義や人権など人類普遍の価値に前向きな姿勢を見せることだ。中国が自国中心主義に陥り「強力な指導者」を通じて「強大な中国」だけを追求する場合、習近平体制は周辺国家にとって脅威要素として作用しかねない。特に「THAAD報復」事態に見られるように、北東アジアで米中対決がますます尖鋭化すれば、韓国はそっくりその被害を抱え込むことになる危険がある。

 是非とも習近平主席の新しい中国は、合理的包容力を備えた“大国”らしい振る舞いを内外で見せることを望む。韓国政府も習近平2期に合わせて、中国と軋轢ではなく国家利益を一致させる戦略的努力を傾けなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/815855.html 韓国語原文入力:2017-10-24 19:19
訳J.S(1143字)

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