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「赤身肉の摂取減らしイワシやサバの摂取量増やすと、 一年に75万人の命を救える」

登録:2024-04-11 04:42 修正:2024-04-11 10:37
日本とオーストラリアの研究チーム、小型浮魚類の「赤身肉の代替効果」を分析 
ソウル市内の伝統市場のある干物屋にカタクチイワシが並べられている=ソウル/聯合ニュース

 牛肉や豚肉のような赤身肉の摂取の一部をイワシやサバなどの小型浮魚類のような安価で環境負担も少ない魚に代えるだけでも、年間最大75万人の命を救えると共に、食習慣と関連した病気を大幅に減らせるという研究結果が出た。

 日本の国立環境研究所とオーストラリアのサンシャイン・コースト大学の研究チームは9日(現地時間)、英国の学術誌「BMJグローバルヘルス」に掲載した論文で、赤身肉の摂取の一部をイワシ類やサバ類のような「小型浮魚類」に代替する4つのシナリオを分析し、このような結論に至ったと明らかにした。

 研究によると、世界137カ国の2050年までの赤身肉の消費の予測値を基に、虚血性心疾患、脳卒中、糖尿病、大腸がんの4つの非感染性疾患のリスクを評価したところ、世界の疾病死亡の44%はこの4つの疾病によるものだと指摘された。

 大きな魚の餌であり、魚粉や魚油の製造に主に使われるこれらの小型浮魚類は、オメガ3脂肪酸が豊富で冠動脈性心臓病の予防などに良いと知られている。

 研究チームは「赤身肉を小型浮魚類に代替することで、2050年に世界の赤身肉消費量は基準シナリオと比較して最大で8%減少する」とし、小型浮魚類の摂取シナリオによって、非感染性疾患で年間に死亡する人のうち50万~75万人の命を救うことができるとの予想を示した。特に虚血性心疾患を減らすのに小型浮魚類が効果的だという。

 また、非感染性疾患の負担は低・中所得国に多く、特にアフリカの場合はこのような疾患の拡散が深刻な水準だと説明した。このため、小型浮魚類の消費量が相対的に少ない低・中所得国でこれらの摂取を促進した場合、保健状況の改善により効果があると指摘した。

 研究チームは「小型浮魚類は赤身肉に比べて生産時の温室効果ガスの排出負荷が大幅に少なく、人体に必要な栄養素を豊富に含んでいる」とし、安価で大量に供給できる有望な食糧源だと評価した。例えば、南米チリの場合、現在漁獲されている小型浮魚類の46%だけでも、赤身肉類の摂取量の90%まで代替できると分析された。

 さらに「人類の健康を増進し地球の健康も改善するためには、赤身肉の摂取を減らし、健康と環境にやさしい食品の摂取に転換しなければならない」と強調し、そのためには小型浮魚類の消費を促進するなど、魚の摂取を増やすための食品政策の導入が急がれると説いた。

シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1136010.html韓国語原文入力:2024-04-10 13:42
訳H.J

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