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「北朝鮮、2016年の国家経済発展戦略で中国依存からの脱却を明記」

登録:2019-04-22 05:55 修正:2019-04-22 07:44
毎日新聞が報道…「年平均8%の経済成長を目標に」 
貿易多角化を掲げ、ロシアとの協力を強調 
国際社会の制裁で実現は容易ではない見込み
昨年、平壌の玉流館から眺めた大同江の姿=南北平和協力祈願公演の写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮が2016年党大会で採択した「国家経済発展戦略」(2016~2020年)で、中国に対する依存からの脱却を明示したことが確認されたと、日本のマスコミが報道した。

 毎日新聞は21日付で、北朝鮮が国家経済発展戦略で、年平均8%の経済成長を目標に掲げ、「中国一辺倒から脱し、対外貿易の方向をロシアや東南アジア、中東など各国へと拡大する」という方向を提示したと報じた。同戦略は2016年5月、36年ぶりに開かれた朝鮮労働党第7回大会で採択されたが、詳細な内容や数値はこれまで公開されなかった。同紙は、在日の北朝鮮研究者、趙允永(チョ・ユニョン)氏が最近同文書を入手したと明らかにした。

 北朝鮮は同文書で、2014年現在、北朝鮮の国家別貿易額の割合が中国71.6%、ロシア4.2%、ドイツ0.8%だと明らかにした。北朝鮮は「中国との貿易が絶対的比重を占めている。中国一辺倒から抜け出せずにいる」と指摘した。北朝鮮はこれを解決するための突破口として、対外貿易の「多様化と多角化」を挙げた。

 北朝鮮は特に、ロシアとの貿易額を2020年まで10億ドルに引き上げるという目標を掲げた。韓国政府は2017年現在、北朝鮮とロシア間の貿易額が7784万ドルと推定した。北朝鮮が4年間で朝ロ間の貿易額を10倍以上に引き上げようと試みたのだ。

 同紙は、北朝鮮が水力発電所建設に必要な資金や金策(キムチェク)製鉄所と茂山(ムサン)鉱山などの設備改良に向けた技術協力をロシアから受けることを明記したと報じた。これと共に、東海沿岸の「元山(ウォンサン)・金剛山(クムガンサン)国際観光地帯」と「清津(チョンジン)経済開発区」にロシア企業の投資を誘致し、「医療品委託生産や水産物加工、自然エネルギー開発協力体制をつくる」という計画を立てたものと見られる。

 同紙は24日、ウラジオストクで開かれるものと見える北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長とロシアのプーチン大統領の首脳会談で、両国間の経済協力案件が議題になる可能性もあると指摘した。しかし、期待を集めたハノイでの第2回朝米首脳会談が物別れに終わったことで、朝ロ貿易額を画期的に増やそうとする北朝鮮の計画を実現するのは容易ではないと予想される。

 北朝鮮はこのほか、貿易の多角化に向け、「インドやパキスタンとの貿易を活性化させ、イラン市場を開拓する」ことも目指している。主要輸出品目としてはマグネシアクリンカーや亜鉛、工作・切削機械を、輸入が必要な品目としては原油や天然ゴムなどを挙げた。

東京/チョ・ギウォン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/890862.html韓国語原文入力:2019-04-21 20:34
訳H.J

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