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「どこまで差別すれば気が済むのか」朝鮮学校生たちの涙

登録:2017-09-13 23:06 修正:2017-09-14 06:58
東京地方裁判所「朝鮮学校無償化訴訟」敗訴判決 
裁判所、総連と密接な関係を根拠にあげ 
「無償教育対象除外は不合理でない」 
大阪で勝訴したが、東京では敗訴 
愛知・福岡では訴訟進行中
13日、東京地方裁判所前で朝鮮学校の高校無償化除外措置の適法性を問う裁判で敗訴判決が下されると、弁護団が「不当判決」、「朝高生の声届かず」と書かれた垂れ幕を掲げている=東京/チョ・ギウォン特派員//ハンギョレ新聞社

 「どれだけ叫べばいいのだろう。奪われてきた声がある。聞こえるかい。聞いているかい」

 13日午後、東京の官庁街である霞ケ関にある東京地方裁判所前に集まった在日同胞は、日本語と韓国語が混じった歌「声よ集まれ、歌となれ」を繰り返し歌った。この日は東京地方裁判所で、朝鮮学校を高校無償化教育対象から除外した日本政府の措置の適法性を問う判決が下される日だった。歌に込められた願いも虚しく、在日同胞の声は日本政府と裁判所には届かなかった。弁護団が「不当判決」、「朝高生(朝鮮学校高校生)の声届かず」と書かれた垂れ幕を持って敗訴の事実を知らせると、歌声は号泣に変わった。「どこまで差別を続ければ気が済むのか」、「不当だ」という鋭い叫びが溢れた。

 東京地方裁判所は、朝鮮中高等学校(中高校課程)卒業生62人が、高校無償化措置除外による損害を1人当り10万円ずつ賠償せよとして起こした訴訟で、原告敗訴判決した。裁判所は朝鮮総連(総連)と朝鮮学校の間に密接な関係があるという公安当局の調査と警察庁の資料などを根拠に、文部科学省が朝鮮学校を無償化適用対象から除外したことは「不合理とは言えない」と明らかにした。

 日本では2010年、民主党政権時期に授業料を国家が負担する高校無償化措置を始めたが、北朝鮮問題を理由に朝鮮学校は適用対象にすることを留保した。日本の教育法上、同じ「各種学校」に分類される国際学校にも授業料を支援したが、朝鮮学校だけは例外であった。自民党に政権が替わった2013年、文部科学省は行政規則を改定し朝鮮学校を高校無償化対象から完全に除いた。

 2013年5月31日から朝鮮大学校の学生たちが中心となり、毎週金曜日に文部科学省前で「声よ集まれ、歌となれ」を歌い抗議集会を続けた。朝鮮中高等学校の卒業生たちは各地方裁判所に取消訴訟を起こした。判決は交錯した。7月19日、広島地方裁判所は総連が朝鮮学校に影響力を行使していることは否定できないとして政権の手をあげた。だが、同月28日大阪地方裁判所は、朝鮮学校の除外は「教育機会均等とは関係のない政治的意見に基づいている」として、日本政府敗訴の判決を下した。愛知県と福岡県では訴訟が進行中だ。東京の判決は交錯した判決の行方を分ける分岐点になりえるため、同胞と同胞を支援する日本の市民の失望は一層大きかった。

 愛知県の朝鮮学校出身で一橋大学に通うキム・ソンミョン氏(23)は「北朝鮮問題を持ち出せば、在日朝鮮人に何をしても大丈夫という意味か」と話した。彼は「大阪で勝訴したので期待していた。まさか(敗訴判決が下されようとは)思わなかった」と話した。市民団体「高校無償化からの朝鮮学校排除に反対する連絡会」の長谷川和男代表は「民族団体が民族教育を支援するのは当然のことだ。高校無償化制度の趣旨は教育の機会均等なのに、政治的問題を理由に無償化から除外するのは不当だ。闘争を続ける」と話した。

東京/チョ・ギウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/810836.html 韓国語原文入力:2017-09-13 21:48
訳J.S(1567字)

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