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サムスン電子の成果給合意…利益分配の「ニューノーマル」幕開け

登録:2026-05-22 21:02 修正:2026-05-23 09:05
営業利益の分配、労使の枠超えて 
株主など利害関係者が広がり 
他の企業も「〇%の成果給」に直面 
サムスンの合意案は一つの基準点 
成果共有の議論を本格的に始めるべき
20日、京畿道水原市長安区の京畿雇用労働庁で行われたサムスン電子の賃金交渉を終え、サムスン電子のヨ・ミョングDS(デバイスソリューション・半導体事業担当)ピープルチーム長とサムスングループ超企業労働組合サムスン電子支部のチェ・スンホ委員長が暫定合意案に署名し握手している/聯合ニュース

 サムスン電子労使間の成果給交渉合意は、ストライキの危機を回避したという安堵感と同時に、いくつもの課題を残している。同社内部では、業績に応じた報酬原則を守りつつ、部門間の不均衡から生じる対立を解消する課題を抱えることになった。サムスンとSKハイニックスの事例を皮切りに、各企業の労使関係でも営業利益の規模に基づく成果給要求が多方面で噴出している状況であり、サムスン電子の今後の熟議過程はこれらの企業にとっても試金石となるだろう。また、株主をはじめとする企業の枠外にいる利害関係者の配分ともバランスを取る課題が徐々に顕在化することが予想される。

 サムスンのコンプライアンス監視委員長を務めたキム・ジヒョン経済社会労働委員会委員は21日、ハンギョレの電話取材で「『悪い和解は良い判決よりも良い』と言うように、交渉が合意に至ったことはいずれにせよ評価されるべきだ」と述べ、「ただし、交渉の終結が問題の終結を意味するわけではなく、これからが問題の始まりだ」と語った。キム委員長は「成果インセンティブ(OPI)を巡るさまざまな問題について社会的合意が必要だという共感が形成されたとすれば、本格的な議論が始まるべきではないかと思う」と補足した。

 前夜の苦闘の末に導き出されたサムスン電子の労使暫定合意案は、「業績インセンティブ」と半導体(DS)部門に対する「特別経営成果給」に分けて支給する内容だ。従来は「税引後営業利益から資本コストを差し引いた金額」を意味する経済的付加価値(EVA)を成果給の財源基準としていたが、代わりに「労使合意で定めた事業成果」を基準点に変更した。経済的付加価値については、これまで会社側が具体的な算出方法を公開したことがなく、成果給の基準が不透明であることが労組側の不満の根源と指摘されてきた。今後、事業成果を算出する労使合意の過程で再び苦戦があるかもしれないが、少なくとも利益分配の透明性の面では進展があったと評価できる。営業利益を基にした成果給支給要求に直面している他の企業も、サムスン電子のこのような利益配分方式は重要な参考になると考えられる。

 5大グループに所属するある役員は「これは『サム電ニクス』(サムスン電子とハイニックス)だけの問題ではなく、すべての産業に当てはまる可能性があり、社会問題に発展すると思われる」とし、「下請け業者や地域社会からの圧力も予想され、企業の負担が増えるだろう」と見込んだ。彼は「(成果給の問題は)経営陣が判断すべき問題だったが、ある時点で労使の争点になった」とし、「半導体ブームは今後2~3年続くと言われているが、その後どうなるかは分からない」と語った。

 実際、半導体業界の枠を越えて、カカオ、現代自動車、HD現代、LG Uプラス、サムスンバイオロジクスなど他の産業でも営業利益の一定割合を成果給として支給するよう求める労働組合の要求が相次いでいる。この過程で、個別企業内や企業間の違いに応じた細かな調整が避けられない見通しだ。産業や企業の枠を越えて、企業内の部門間でもさまざまな利害関係が噴出する状況であるため、利益配分の均衡点を見つける難易度がそれだけ高くなった。別の経済界幹部は「利益の数パーセントを(成果給として)求める組合の動きがさらに拡大する可能性がある」とし、「サムスン電子の労使間の合意案が一つの基準点となりうる」と見通した。彼は「サムスン電子やハイニックスほどの(大規模な)利益はないため、従来の成果給と大きな差があるかはわからない」としつつも、「我々の内部でも要求が噴出すれば、状況に応じた対応が必要な交渉の問題になるだろう」と述べた。

 現金の代わりに株式報酬で支払うかたちに変更したことについては、肯定的評価が多い。株式処分に一定の制限を設けることで、短期的な成果を長期的な企業価値の上昇と連動させることができ、株主還元への期待感も持てるということだ。キム・ウチャン高麗大学教授(経済改革連帯所長)は「株式報酬は企業の長期的な成果と連動する成果給制度を設計すべきだという趣旨に合致する方策だ」とし、「今後、下請け企業と成果を共有する方策も重要な問題になるだろう」と見込んだ。

 共に民主党のホン・ソングク国家経済諮問会議議長は「これまで進められてきた労使関係や成果給支給などで深まった対立を修復したレベルだ」と述べ、「今後他の企業にも波及する問題であるため、多くの企業が成果給支給体制を合理的かつ客観的に設計する契機とすべきだ」と語った。彼は続けて株主の反発の可能性について「これまで株主配当が少なすぎたことが問題だ」とし、「株主配当をほとんど行ってこなかった企業が、今後は配当を増やさざるを得ないきっかけになるだろう」と語った。

キム・ヨンベ、キム・ナミル、パク・チョンオ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1259877.html韓国語原文入力:2026-05-22 07:16
訳J.S

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