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「日本輸出規制」WTO提訴…韓国政府、69日ぶりに剣を抜いた

登録:2019-09-11 21:21 修正:2020-07-01 01:19
半導体などの3大主要材料の輸出規制 
「最恵国待遇協定に反する差別的措置」 

日本による韓国のホワイト国除外はひとまず除き 
「規制強化を拡大すれば追加対応を検討」 
 
韓国政府、日本に二者協議を公式要請 
日本「協定違反ではない」主張繰り返す 
最終結論まで3年以上かかる見込み
韓国産業通商資源部のユ・ミョンヒ通商交渉本部長が11日午前、政府ソウル庁舎で「半導体・ディスプレイ主要材料3品目に対して、日本が7月4日に施行した輸出規制強化措置を世界貿易機構(WTO)に提訴する」と明らかにしている=産業通商資源部提供//ハンギョレ新聞社

 韓国政府が、韓国に輸出される半導体・ディスプレイの主要な材料3品目に対して日本が輸出規制を強化したことは政治的動機からなされた差別的措置であるとし、日本を世界貿易機関(WTO)に提訴した。日本が戦略物資輸出審査簡素化対象国である「ホワイト国」(グループA)から韓国を排除したことは提訴対象から除かれた。3品目の材料に限り法的紛争をひとまず始めることにより、国際社会に日本の措置の不当性を強調し、日本のさらなる輸出規制を予防することが狙いと解釈される。

 産業通商資源部のユ・ミョンヒ通商交渉本部長は11日、政府ソウル庁舎で記者会見を行い、日本をWTOに提訴すると明らかにした。日本が7月4日に高純度フッ化水素(エッチングガス)、フォトレジスト(感光液)、フッ化ポリイミドからなる主要材料3品目を韓国に輸出する企業には3年分の包括許可ではなく個別許可だけを渡すことにしてから69日がたった。韓国政府は、日本が韓国をホワイト国から排除する改正輸出貿易管理令が発効された先月28日前後にも日本に対する提訴を検討してきた。しかし、政府内外で慎重論が提起され、チョ・グク法務部長官当時候補者をめぐる論議が高まり政局が荒波に包まれると、発表を延期した。

 韓国政府は、日本が3品目の輸出に対する規制を強化したことは、関税と貿易に関する一般協定(GATT)最恵国待遇(1条)、数量制限の一般的禁止(11条)、貿易規則の公表および施行義務(10条)に違反したと見た。ユ本部長は「韓国だけを特定した日本の措置が取られた後、2カ月が過ぎた現時点でもたった3件しか(輸出が)許可されなかった」として「これは政治的な理由で交易を恣意的に制限したもので、貿易規定を一貫して公正にそして合理的に運営しなければならない義務に抵触する」と述べた。

 日本が韓国をホワイト国から除外した「制度変更」は提訴対象から除かれた。ユ本部長は「3品目に対する日本の規制強化は7月初めに施行され、すでに輸出制限効果が継続的に発生している」と説明し、これとは違い制度的変更がなされただけで、実際の輸出規制強化につながっていないホワイト国からの除外に対しては「すべての可能性を残しておき、対応方案を検討している」と話した。ユ本部長は「今回の提訴で日本の不当性を客観的に立証し、日本の(戦略物資)輸出許可制の乱用を阻み、類似の措置を事前に予防する必要もあると判断した」と付け加えた。

 韓国政府は提訴の発表とともに、この日日本に対し“二者協議”を公式に要請した。WTOの紛争手続きに則り、二者協議の期限は要請受領後30日以内だ。日本が二者協議を受諾しなければ、提訴国である韓国は直ちに裁判所に似たパネルの設置を要求でき、二者協議が実際になされる可能性が高い。この日から60日以内に当事国間の合意に失敗しても、韓国はパネルの設置を要請できる。紛争が一審にあたるパネル判定で終わらずに、どちらか一方の上訴につながれば、最終結論までには3年以上かかると見られる。福島水産物紛争は、韓国の最終勝訴までに約4年かかった。

 二者協議の要請を受けた日本は、輸出規制の強化は協定違反ではなく安保上の理由にともなう貿易管理制度の変更という既存の主張を繰り返した。世耕弘成経済産業相はこの日「今後の具体的対応方針については、協議要請の内容を詳しく調べた後にWTOの協定に決められた手続きに則り適切に対応したい」として「今回の措置(日本の対韓国輸出規制)がWTO(協定)に合致していることは明確だ」と話した。世耕経済産業相はこの日の内閣改造で参議院幹事長へ席を移した。

チェ・ハヤン記者、東京/チョ・ギウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/909383.html韓国語原文入力:2019-09-11 20:02
訳J.S

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