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MBKパートナーズが韓国2位の大型スーパー「ホームプラス」買収

登録:2015-09-07 22:54 修正:2015-09-08 06:09
 7兆2千億ウォン(約7200億円)で持分100%譲受
 2年間に1兆ウォンを投資執行
 今後、分割再売却する模様
 テスコ、売却差益5兆ウォンを取得
MBKパートナーズ=資料写真//ハンギョレ新聞社

 韓国最大の私募投資ファンドであるMBKパートナーズが7日、英国テスコからホームプラス株式100%を買収する契約を締結した。買収後に再販売して利益を出すことが目的の私募ファンドがホームプラスを買収したことにより、今後再売却がなされると見られる。

 ホームプラスは韓国内2位の大型スーパーで、2014年基準(1円=9ウォン)で売上8兆6千億ウォン、営業利益は7880億ウォンだ。MBKはこの日報道資料を出し「買収額は7兆2千億ウォン(約60億ドル)であり、そのうち株式譲受金額は5兆8千億ウォン(49億ドル)」と明らかにした。 残りは借入金(1兆4千億ウォン)を抱え込む方式だ。テスコが1999年に韓国に進出した以後、ホームプラスに投資した金額は合計8113億ウォン(買収した会社債などを含めれば合計2兆8千億ウォン台と推定)だ。 16年間で株式売却差益だけで5兆ウォンに達する。テスコは16年間にホームプラス会社債(1兆5千億ウォン)に対する利子収益と配当、“テスコ”ブランドの使用ロイヤリティー(最近5年間で918億ウォン)等の名目ですでに投資元金に近い資金を回収したと言われている。 そのために、いわゆる「食い逃げ」論議が起きるものと見られる。

大型スーパーのホームプラス=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 ホームプラスは1997年にサムスン物産により大邱(テグ)1号店で始まり、1999年にテスコに経営権が移った経緯がある。 2005年3月「吸収・合併の鬼才」と呼ばれるキム・ビョンジュ会長(52)が設立したMBKは、運用資産規模が81億ドルに達する韓国最大の私募投資ファンドだ。 合計3つのファンド(第1・2・3号)を運用していて、買収した企業の価値を高めて再び売るバイアウト(Buy-out)戦略に集中し、韓米キャピタル、KTレンタル、コウェイなどの企業を買収(売却)した。 しかし業界では「MBKを韓国産私募投資ファンドだと言うが、1・2・3号ファンドに流入した資金は主に外国から誘致した資本」という話も出ている。

 MBKは2007年に複数総合有線放送事業者であるC&Mを買収した後、投資収益を高めるために外注化と雇用リストラを大々的に実施し、大きな社会的葛藤を生んだことがある。 MBKはこうしたことが繰り返される憂慮に対して、「ホームプラスの市場先導的地位と競争力を強化するため、2年間で1兆ウォン(約1千億円)の投資を執行する計画」とし、「ホームプラス職員の現在の雇用条件と団体交渉合意案を尊重し、人為的な人材リストラは行わない」と話した。

 ホームプラスを買収した「MBKパートナーズ コンソーシアム」には、カナダ公務員年金、シンガポール国富ファンドであるテマセックなどが投資家として参加した。 韓国の国民年金基金もこのコンソーシアムに参加し約5千億ウォンを投資しており、投資形態は損失を最小化した償還優先株(特殊な優先株で、会社が利益を出せば買い戻す条件で発行される)と知られている。MBKはテスコの“先配当支給”は行わないことにした」と説明した。

 ホームプラスは140の大型売場、375の中規模スーパー(ホームプラス・エクスプレス)、327のコンビニを保有している。今後MBKの投資金回収出口戦略は分割売却になると予想されている。 地域店舗を「セール・アンド・リースバック」(店舗売却後に再賃貸)方式で流動化させ、現金を確保した後に戦略的投資家(主に韓国国内の大型流通企業)に売る方式が有力だ。

キム・ミヨン、チョ・ケワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/707852.html 韓国語原文入力:2015-09-07 20:57
訳J.S(1644字)

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