登録 : 2013.11.27 10:33 修正 : 2013.11.27 10:39

イラストレーション キム・デジュン

朴露子(パク・ノジャ、Vladimir Tikhonov) ノルウェー、オスロ国立大教授・韓国学

 本論に入る前に一つ明記しておかなければならない。 私は議会活動に重点を置く政党が世の中を変えることはできないと考えており、統合進歩党をはじめとする韓国進歩政党の議会主義的傾向に対して非常に物足りなさを感じている。 そして今、執権極右派は‘民衆’のような単語を問題にして統合進歩党を‘社会主義’に追い立てているが、私が見るには統合進歩党は‘韓国特有の穏健社民主義政党’に近い。 最近議論になった統合進歩党の綱領でも一度精読して見られたい。 統合進歩党は資本主義それ自体というよりは‘資本主義の弊害’を克服しようとするとそこに明記されている。 それでは弊害のない資本主義が存在出来ると考えているということなのか? また、そこには統合進歩党が労働者・農民と共に中小商工人の利害関係を代弁すると出てくるが、中小商工人の範囲はどこまでかについて何の言及もない。 非正規職に月に100万ウォン余りをあたえる通常の財閥下請工場の主人でも、中小商工人であるならば彼と彼が絞り取る労働者の利害を本当に同時に代弁できると考えているのか? 私の基準では統合進歩党が左派ならば、長期にわたり穏健に陥った、現存する社会とほとんどまともに対立角を立てられない左派だ。

 それではイ・ソクキ議員の逮捕から始まり、今回の前例なき政党解散審判請求まで、なぜよりによってこの温和しいことこの上ない、ほとんど右派的とも言える韓国型社民主義者らが極右政権公安追い込みの初の犠牲物になったのか? そこには二つの理由があるようだ。 第一に、金以外には何もないこの頃の世の中ではつまらなく聞こえるが、朴槿恵(パク・クネ)政権と統合進歩党の間には厳格に理念葛藤が存在する。 朴槿恵は極端な対北韓対立を避けるなど、前政権の失敗を教訓として対応しようとしているようだが、多少は妥協的な対北韓接近だとしても、これは朴槿恵政権次元では徹底して敵対的他者に対する接近に過ぎない。 すなわち、現実の国際政治をどのようにするにしても、朴正熙のファシズムを継承した現支配者にとって北韓は理念次元では根源的にはいつか‘我々’に吸収されなければならない敵に過ぎない。 この敵と対決して結局は敵に勝たなければならないのは‘我が国民’という、排他的忠誠を要求する集団だが、この集団の境界線に対する朴槿恵政権の管理はファッショ的という程に徹底している。 敵に対して若干であれ‘大多数と異なる考え’をするならば、すでに‘敵との内通者’、すなわち排除・弾圧の対象である非国民だ。 統合進歩党以外の進歩政党は概して‘我が国民’集団内での階級葛藤だけを問題にしているために、ひとまずは‘国民’という集団の境界線を恐れず転覆しようとはしない。 逆説的にも最も民族主義的な社民主義政党である統合進歩党は‘同じ民族’である北韓を敵ではない統一の一主体として見て、北韓-米国の葛藤構造で北の立場を積極的に、親和的に理解しようとしているだけに‘国民’の境界線を最も大きく押し倒すことができるわけだ。 そのためにそれだけ排他的理念で武装した支配集団の政治報復を受ける。

 逆説的にも最も民族主義的な社民主義政党である統合進歩党は‘同じ民族’である北韓を敵ではない統一の一主体として見て、北韓-米国の葛藤構造で北の立場を積極的に、親和的に理解しようとしているだけに‘国民’の境界線を最も大きく押し倒すことができるわけだ。 そのためにそれだけ排他的理念で武装した支配集団の政治報復を受ける。

 第二の理由は現実政治にあるようだ。 正確な統計ではないが、去る19代総選挙の時に統合進歩党が発表した党員数は7万5000人程度であった。 多数の幽霊党員などがいるだろうが、そうであってもこれは他のすべての進歩政党の党員より二倍以上多い数字だ。 19代総選挙で統合進歩党が見せた得票率は10.3%だったが、この程度であれば比較的あまり知られていない残りの進歩政党らとは異なり、マイナーではあるが‘主要政治勢力’の隊列にまで上がりうる。 参考までに、東アジアの最も由緒深い進歩政党である日本共産党の場合にも今年7月の参議院選挙での得票率は10%程度であった。 最近の主流言論による誹謗キャンペーンなどで潜在得票率が下がったとしても5~10%の有権者を動員できる政党ならば、例えば野党連帯建設などではかなり重要なことをやり遂げられるし、政権に対する相当な圧迫効果を持たらすこともできる。 朴槿恵政権の立場としては統合進歩党さえきっちり除去すれば残りの進歩政党はただゲットー化され、これといった政治影響力を発揮することはできないと見られるだろう。 統合進歩党が没落すれば、進歩政治セクターそれ自体は一部の理念型社会主義者や労働運動家だけの、大衆性が欠如したゲットーになり、政権に対する相当な潜在的威嚇が除去されるわけだ。 李承晩時期の進歩党スパイでっち上げ・たたき壊しといったい何が違うだろうか?

 進歩党の強制された没落と曺奉岩(チョ・ボンアム)の死刑は韓国進歩政治の発展をほとんど40年間停止させた。 その後にも数箇所の群小革新政党は命脈を維持し、その内の一つである社会党出身のイ・ジェムンとキム・ビョングォンは1970年代後半に南民戦を組織し、維新政権に対して最も激しい地下闘争を展開したが、大衆的な革新政治は2000年に達し民主労働党の結成と共に復旧したのだ。 40年余ぶりのことだ。 今、朴槿恵政権が望むとおりに統合進歩党が弾圧に耐えられず死んでしまえば、その結果は同じように破滅的になりそうだ。 それなら、なぜ残りの進歩陣営は、いくら統合進歩党との間に種々の実践や理念次元の矛盾や葛藤などがあるとしても、弾圧を受ける同志たちに連帯の手をまともに差し出せずにいるのか? 私はここに2つの理由があると推測する。 一つは‘統合進歩党だけが犠牲になれば自分たちは無事だ’とか‘人気のない北韓肩入れをして民心を失うほかはない統合進歩党を擁護してみても、得になることがなく、いっそ統合進歩党がなくなればそのスキ間を自分たちが掌握できるかも知れない’のようなすばしこい計算だ。 しかしこの計算には進歩政治の魂という道徳性も見られないのみならず、正確な予測も見られないようだ。 かえって歴史の中の前例に見れば、統合進歩党の没落は進歩政治自らの大衆性を大きく落とすことになり、社会の全体的右傾化の助けになるだろう。 そのような打算より、さらに詳しく見ておかなければならないことは二番目の理由、すなわち理念的理由だ。 統合進歩党の党権派を‘主体思想派’と把握する一部の左派は、‘北韓民衆を抑圧している北韓支配者の御用思想に同調する政党’に対する同類意識自体を全く持っていない。 ‘主体思想派’の民族主義は、すべての民族主義がそうであるように、その本質上危険だという警戒意識も同居している。

 私は統合進歩党の党員でも支持者でもない。 しかし、むしろそうであるからこそ政権の弾圧から統合進歩党を守るべきだと見る。 その弾圧の中で進歩の可能性が死に、民主主義が蒸発するためだ。

 イデオロギーとしての民族主義はその危険性を百回話しても足りないが、すべてのイデオロギーが全てそうであるように民族主義の含意も状況次第だ。 同じ民族主義といってもイラク侵略での参戦を‘愛国’と見る米国白人支配者のヘゲモニー的民族主義と、米侵略軍に命をかけて対抗したイラク愛国者の民族主義を果たして同一線上で論じることが妥当だろうか? 色々な複合的な理由(イラクより強い北韓の軍事力から後見国家としての中国の存在まで)のために、同じ‘悪の枢軸’国家の中でイラクは米国の侵略をすでに加えられたし、北韓はまだ加えられてはいないものの、米帝国主義に国際主義的立場から反対する人ならば、その侵略をいつ加えられるやも知れない北韓の民族主義の中に反帝的で抵抗的な要素を発見することもできるではないだろうか? そういう要素を発見して肯定してこそ、結局私たちが北韓と同等な対話をして、相互信頼を構築し平等で民衆本位の統一に進むことができるのではないだろうか? 私は三星(サムスン)経営権の3代世襲を否定的に考えるのと同じように、北韓の3代世襲を否定的に考えるし、三星社内のイ・ビョンチョル一家崇拝ムードをおぞましく思うと同じように、主体思想の首領論に反対する。 しかし国内で主体思想に関心を持った人々は、北韓支配者らとは異なり権力者ではない無力で貧しいアウトサイダーたちであり、彼らの‘主思’指向は結局、韓国の支配階級とその事大主義的風土に対する反感から出たものだ。 彼らと北韓支配者を同一視することも、少数の主体思想愛好家と統合進歩党全体を同一視するのも、きわめて危険なことだ。 統合進歩党に投票した有権者がみな‘主思派’なのか?

 私は統合進歩党の綱領とは違い‘資本主義の弊害’ではなく資本主義自体の克服を望んでいる。 しかし、お互いに差があっても、むしろそうであるからこそ弾圧から統合進歩党を守らなければならない。 その弾圧の中では進歩の可能性が死に、民主主義が蒸発するためだ。

パク・ノジャ ノルウェー オスロ大教授・韓国学

韓国語原文入力:2013/11/26 23:10
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/612809.html 訳J.S(3932字)

関連記事
  • 오피니언

multimedia

  • most viewed articles
    • hotissue