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[社説]‘歴史退行’人物が居並んだ安倍内閣

登録:2012-12-27 23:51 修正:2013-01-29 10:54

 日本の安倍晋三内閣が昨日スタートした。自民党としては2009年9月に民主党に政権を渡した後、3年3ヶ月ぶりの復活だ。当時、民主党は自民党に大勝をおさめ、いわゆる55年体制と呼ばれる自民党の1党支配体制を54年ぶりに終わらせた。今回の安倍内閣は日本政治が再び自民党長期政権体制に回帰するかを決める分岐点になるという点から内外で関心が高い。

 我が国にとって重要なことは、安倍内閣が第2次大戦以後、日本の政治座標を最も右に移した‘右向け右政権’だという点だ。20年にわたった長期経済不振、昨年の3・11東日本大地震という国内要素に中国の急浮上および北朝鮮の挑発行為が重なり、日本社会はいつにも増して閉鎖的で国粋的な傾向が強まっている。このような流れの中で過去の侵略の歴史を美化または否定して軍備増強を強調する安倍の自民党、石原慎太郎・前東京都知事と橋下徹・大阪市長が導く日本維新の会が大躍進した。

 安倍内閣は基本的に右派指向の人物で構成されるというのは予想されたことだ。だが蓋を開けてみるとその度合いが非常に激しい。特に我が国に否定的な人物が並んでいる。代表的な人物が下村博文 文部科学相だ。彼は安倍1次内閣の官房副長官を務めた2007年にあるラジオ番組に出演して "従軍看護婦や従軍記者はいたが従軍慰安婦はいなかった" として河野談話を否定した。彼の文部科学相就任と共に野田民主党政権末期に前向きに検討された朝鮮学校の高校無償化対象編入が事実上先延ばしされることになったという。

 古屋圭司 国家公安委員長兼拉致問題担当相は米ニュージャージー州を訪問して慰安婦慰霊碑の撤去を要求した人物だ。昨年8月に我が国の独島(トクト)支配強化の実態を調べるとして鬱陵島(ウルルンド)訪問の途に出て入国拒否された新藤義孝、稲田朋美議員もそれぞれ総務相と行政改革担当相に起用された。麻生太郎副総理、小野寺五典 防衛相、山本一太 環境相も問題人物だ。

 対外関係を担当する外相には‘外交経験’がない岸田文雄 前沖縄・北方領土担当相が起用された。 来年7月の参議院選挙までは安倍総理が直接外交懸案を取りまとめて周辺国との摩擦を避けるという意味と読みとれる。我が国との懸案である独島、慰安婦問題に対しても一時的に刺激を避ける戦略を取る可能性が大きい。しかし本質は変わらない。新政府は安倍内閣のまやかし言動に惑わされず基本に忠実な外交を繰り広げなければならない。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/567093.html 韓国語原文入力:2012/12/26 19:12
訳T.W(1145字)

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