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国家情報院長まで陸軍士官学校出身…外交・安保ライン強硬一辺倒 憂慮

登録:2013-03-04 07:35 修正:2013-03-04 23:05
国家情報院長候補ナム・ジェジュン前陸軍参謀総長
軍出身 安保室長・国防長官に加えて
パク・フンニョル警護室長も陸軍大将

 ナム・ジェジュン前陸軍参謀総長が国家情報院長候補者に指名され、陸軍士官学校出身4星将軍が外交安保ラインの主軸を成すことになった。 安保を中心に思考する軍部出身要人が外交安保政策ラインに大挙布陣し、新政府の外交・統一・安保政策基調が過度に強硬になるのではないかという憂慮が出ている。

 朴槿恵(パク・クネ)大統領が去る2日、ナム前総長を国家情報院長候補者に指名した。 朴槿恵政府の外交安保政策の核心である国家安保室長(キム・ジャンス、陸軍士官学校27期)と国防長官(キム・ビョングァン、陸軍士官学校28期)に続き国家情報院長まで陸軍士官学校出身大将が務めることになった。 外交部と統一部、外交安保首席を含む6人の外交安保ラインの中で3人が軍出身で充たされた。 安保室長と国家情報院長は外交・統一政策の決定過程にも深く関与する席だ。 外交安保ラインではないが大統領と接する機会が頻繁なパク・フンニョル警護室長(陸軍士官学校28期)まで4人の陸軍大将が朴槿恵政府の長官級職責を占めた。

 朴大統領が陸軍大将出身を重用したのは一次的に安保状況を反映した人選という分析が多い。 ユン・チャンジュン大統領府報道官は2日ブリーフィングで「国家安保状況を考慮して、国政の空白を起こさずにこのような問題に綿密に対処していくために国家情報院長などをまず内定した」と明らかにした。 国防部のある関係者も「安保状況が厳重なので軍出身を重用したと見る。 この方々が別に強硬派でもなく経験豊富な方々なので懸案をよく解いていくだろう」と話した。 父親をはじめ軍人に囲まれて成長した朴大統領の指向が反映されたという分析もある。

"朴、悪化した安保状況反映したこと"
父親の影響など個人指向の分析に
‘キム・ジャンス牽制用人事’意見も
"政策が一方向に流れる危険が大きい"

 しかし陸軍士官学校先後輩の間柄であるこれら4人は、同様な背景と経験を共有していて同質的で排他的に動く可能性がある。 これら4人の内3人(ナム・ジェジュン、キム・ジャンス、パク・フンニョル)は陸軍参謀総長を経験しており、3人(ナム・ジェジュン、キム・ジャンス、キム・ビョングァン)は韓米連合司令部副司令官を務めた経歴を持つ。 このような点のために北韓との対話・協力を基本とする統一部や交渉を重視する外交部側の声を排斥するのではという憂慮が出ている。 キム・ジョンデ<ディフェンス21プラス>編集長は「彼らの参謀陣も軍出身を中心に組まれる可能性が強い。 彼らが集団思考をしながら自分たちだけで疎通すれば、外交安保政策は一方向だけに流れる危険が大きい」と指摘した。

 例えば北韓の核実験の時、新外交安保ラインが国家安全保障会議を開くならば今回議論になった‘先制打撃’のような強硬意見が強まる可能性がある。 基本的に外交安保はニンジンとムチの‘両にらみ’が可能であるべきで、軍出身者が多くなれば‘原則的対応’という強硬論が支配する憂慮が大きいということだ。

 国家安保や情報業務が、軍人が勢力を伸ばした1960~1980年代とは変わっているという指摘も出ている。 この間、南北関係が軍事・安保中心から経済・社会・文化など多様な方向へ発展してきたためだ。 また、情報業務も国内・対北韓情報中心から海外情報へ拡大してきたが、軍出身はどうしても対北韓情報に重点を置く可能性が強いということだ。 キム・ヨンチョル仁済(インジェ)大教授は「外交安保問題も各分野の多様な情報と意見を総合して整理することが望ましい。 今回の人事はそのような可能性を大幅に減らしたのではないか憂慮される」と指摘した。

 この他に今回ナム候補者を指名したのはキム・ジャンス安保室長牽制目的という分析も出ている。 外交安保首席のキム室長が事実上‘外交安保大統領’になることにならないかとの予想が出る状況であるためだ。 国防部の別の関係者は「ナム候補者はキム室長の陸軍士官学校、陸軍総長の先輩であり、キム室長を朴大統領に推薦した人として知られている。 キム室長の影響力が過度に強まることを牽制しようとするものではないかという観測が可能だ」と話した。

キム・キュウォン、チョ・ヘジョン記者 che@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/576338.html 韓国語原文入力:2013/03/03 22:41
訳J.S(1974字)

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