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トン氏 調査せずに…情報流出 実体不明

登録:2011-03-26 08:16

原文入力:2011-03-25午後06:47:12(1836字)
キム前総領事 保管資料 流出者 把握失敗
国家情報院出身 副総領事の陰湿な攻撃有無も分からず
ビザ発給 関連 金品行き来したかも確認できず

ソン・ウォンジェ記者

←ユ・チュンニョル国務総理室公職服務管理官が25日午前、ソウル、世宗路の政府中央庁舎記者室でいわゆる‘上海スキャンダル’結果を発表し、関連資料について説明している。 キム・テヒョン記者 xogud555@hani.co.kr

25日発表された政府合同調査結果から見れば‘上海スキャンダル’は泰山鳴動ネズミ一匹の格好だ。中国現地調査まで行った政府合同調査団は‘痴情にからまった公職規律弛緩’という結論を出した。
しかし疑惑解消には依然生ぬるさがある。今回の事件実体糾明の核心人物である中国人女性トン・某氏を相手にした直接調査が成されず、キム・ジョンギ前上海総領事と関連した資料流出疑惑もすっきりと糾明できなかった。

■資料流出疑惑
上海総領事館非常連絡網と査証発給現況などトン氏が保管していた資料は大部分がトン氏と不適切な関係を結んだ領事らから流出したものと調査された。公館外部から専用通信網に接続し資料を取り出したのではないかとの疑惑もあったが、公館外部からは内部網への接続が不可能であることが確認された。

しかし、キム・ジョンギ前総領事が保管した政治家などの連絡先資料に対しては流出場所と時点、流出者をついに明らかにすることができなかった。総理室はこの資料がトン氏のカメラで撮影され流出したものと推定した。また、写真背景を分析した結果「官邸に保管していたものを誰かがこっそりと撮影したこと」というキム前総領事の主張とは異なり、撮影場所は官邸ではないと判断した。名簿撮影も昨年6月1日、トン氏とキム前総領事が上海ヒルトンホテルで数枚の写真を一緒に撮った直後になされたものと推定した。

それでも総理室は流出経緯は特定できないまま「名簿資料が機密でないだけに検察捜査を依頼することもない」と明らかにした。しかし、キム前総領事が情報機関関係者の介入疑惑などを提起しただけに、合同調査で明らかにできない部分は検察捜査等を通じてもすっきり解く必要があるという指摘が出ている。

■組織内あつれき疑惑
キム前総領事と国家情報院出身チャン・某副総領事間の葛藤説は一部確認された。 儀典や業務処理過程で葛藤があったが、それが資料流出関連の陰湿な攻撃につながったかは確認できなかった。トン氏の夫が不正疑惑を法務部などに情報提供する過程で、現地総領事館のキム・某領事が媒介されており、この間に情報提供者が知り得ない‘主要要人の名簿’が追加されたという疑惑に対しては、調査の結果 キム領事の介入事実はなかったと明らかにした。しかし、総理室はトン氏のコンピュータのエクセルファイルで再作成された主要要人名簿に対し公館で作成された資料ではないという点だけを確認しただけで、誰がなぜ作ったのかなどの疑問は洗い落とすことができなかった。また、トン氏の夫ではないならば誰がそのような形の‘資料追加’疑惑を提起したかなども明らかにすることができなかった。

■トン氏との癒着疑惑
総理室はトン氏の要請で多数の領事らがビザ発給に協力してあげていた事実を確認した。しかしこれが単純な便宜提供なのか、その過程で金品が行き来したのかなどは確認できなかった。捜査権のない総理室が口座追跡などでない領事陳述だけに依存して調査したためだ。トン氏の要請で中信銀行が個別観光ビザ保証機関に指定される過程での金品授受有無もやはり明らかにすることができなかった。総理室はトン氏と不適切な関係を結んだ領事が追加で発見されたのか、また誰なのかなどは公開しないと明らかにした。

総理室は前・現職領事10人余りに対して懲戒などの措置を下すよう該当部署に通知した。政府関係者は「キム・ジョンギ前総領事は職権免職または罷免や解任が可能な中央懲戒委への回付を検討中」としながら「職業外交官ではなく罷免されても実質的な不利益は退職金を受け取れない程度」と話した。

ソン・ウォンジェ、イ・ジェフン記者 wonje@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/469958.html 訳J.S