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専攻医7千人免許停止手続き突入…破局へと突き進む韓国政府と医療界の対立

登録:2024-03-05 01:04 修正:2024-03-05 08:17
業務開始命令を受けているにもかかわらず医療現場に戻ってきていない専攻医に対する政府の免許停止、処罰手続きが本格的に始まる見通しとなった4日の、ソウルのある大病院の様子/聯合ニュース

 政府は、未復帰の7千人あまりの専攻医(インターン、レジデント)に対する免許停止などの行政処分の手続きに突入した。大量の医師免許が停止される可能性がある。これに反発し、一部の専任医や教授は集団行動に参加している。

 保健福祉部のパク・ミンス第2次官は4日の中央災害安全対策本部のブリーフィングで、「政府は現場を点検し、違反事項に対して法と原則に則って対応する計画」だとし、「7千人あまりの免許停止処分の手続きに突入する」と表明した。すでに政府は、医療現場を離れた8945人の専攻医のうちの7854人について、所属病院から業務開始命令不履行確認書を受け取っている。福祉部は4日から各病院の現場調査を実施して未復帰を確認したうえで、行政処分を開始した。パク次官は「(今回の免許停止処分は)不可逆的」だとし、「本日(4日)、現場確認を実施して不在が確認されれば、直ちに明日(5日)から予告(免許停止の事前通知)が可能だ」と強調した。

 現行の医療法では、業務開始命令に従わない医療関係者は最大1年の免許停止処分が科されうる。政府はこれまで「少なくとも3カ月間の免許停止処分」を警告してきた。免許が停止されると専攻医の研修期間が満たせなくなるため、専門医資格の取得が1年以上遅れる可能性がある。

 政府の制裁が現実化したにもかかわらず、専攻医の集団行動には大きな変化がない。むしろ専任医(フェロー)や医学部の教授の一部が再契約に応じずに病院を去ってもいる。福祉部と各病院の説明によると、全国の医療機関の専任医の平均再契約率は1日現在で30%ほど。2月末に病院と1年単位で契約を交わす専任医の再契約率は例年だと70~80%だが、その半分にも満たない水準だ。また、慶北大学医学部のある教授は公開の場で「政府は脅迫ばかりしている」と述べ、教授職を辞すと表明している。政府と専攻医の駆け引きが専任医や教授にまで拡大しつつあるのだ。

 この日で締め切られた各大学の医学部増員申請の規模は、昨年と同水準の2千人強。教育部のパク・ソンミン企画調整室長兼報道官は「昨年とほぼ同規模の増員が申請されると予測する」と述べた。昨年11月時点での各大学の希望増員規模は、最少2151人~最大2847人。延世大学などの一部の大学は、申請締め切り日の直前まで規模を決めかねていた。また、慶北大学医学部のクォン・テファン学部長が大学本部の増員の意思を公に批判していることから、大学内部での大学本部と医学部との対立も予想される。

キム・ユンジュ、チョン・ホソン、キム・ミンジェ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1130869.html韓国語原文入力:2024-03-04 18:46
訳D.K

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