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韓国大統領秘書官「朝鮮時代の女性の半分は性的慰みもの」

登録:2022-05-13 06:49 修正:2022-05-13 09:14
キム・ソンフェ大統領秘書室宗教・多文化秘書官。背景は龍山の大統領執務室/ 聯合ニュース

 同性愛に対する嫌悪発言と、日本軍「慰安婦」被害者を蔑視する発言で連日批判を受けている大統領秘書室のキム・ソンフェ宗教・多文化秘書官が12日、朝鮮時代の奴婢の状況を取り上げ「女性の半分が両班(ヤンバン)の性的快楽の対象だった。そのような恥ずかしい歴史を反省しようということが間違っているのか」と主張した。昨年ハーバード大学のジョン・マーク・ラムザイヤー教授が、日本軍「慰安婦」被害者は「自発的な売春婦」だったと主張し、批判世論が高まった時、キム秘書官がラムザイヤー教授の主張を擁護する趣旨でこのような内容の文を書いた事実が韓国放送(KBS)によって報道されたことを受け、これに反論する文をフェイスブックに載せたのだ。大統領秘書室はキム秘書官の進退について「もう少し見守る」という立場を示した。

 キム秘書官は同日午前、自身のフェイスブックに「朝鮮時代の半分に達する40~50%の人口が奴婢であり、そのうち子どもを出産できる婢がより好まれた」として、「婢は外居をしていても両班の主人が夜伽を要求すれば夜を共にせざるを得なかったことは歴史学界で一般化された理論」だと主張した。さらに「結局、女性の半分がいつでも主人である両班たちの性的快楽の対象だった」とし、「そのような恥ずかしい歴史を反省しようということが間違っているのか」と問い返した。また「なぜ大韓民国の知識人と言論は自分だけの道徳的偏見に捕らわれて不都合な真実に背を向けるのか」として、「命が惜しくて嘘を真実と言わざるを得なかったガリレオ・ガリレイが『それでも地球は動く』と言ったように」と付け加えた。

キム・ソンフェ大統領秘書室宗教・多文化秘書官が今月午前、自分のフェイスブックに掲載した文//ハンギョレ新聞社

 これに先立ち、キム秘書官は昨年3月「第3の道」というサイトに「朝鮮時代の女性の半分は性の慰み者だった」という題名の文を載せ、同日フェイスブックに載せた文と似たような主張を展開した。それとともに「『慰安婦』制度を運営した日本軍国主義者たちが殴り殺したいほど憎いのか。反人権的な行動を憎むのは当然のことではないか」としたうえで、「それならば、今北朝鮮で起きている反人権的な惨状にも憤ろう。朝鮮時代に起きた奴隷制度についても探求し、反省し、憤ろう」と述べた。日本軍の「慰安婦」問題について批判するなら、北朝鮮の人権状況と朝鮮時代の歴史にともに憤りを感じるべきだと主張したのだ。彼は「クッポン(国+ヒロポンの合成語で、過剰で盲目的な愛国主義)に陶酔して、他の国を非難する前に、私たちの歴史の真相をきちんと知ったうえで憤らなければならない」と書き込んだ。

キム・ソンフェ大統領秘書室宗教・多文化秘書官が昨年3月、「第3の道」というサイトに掲載した書き込み//ハンギョレ新聞社

 共に民主党のコ・ミンジョン議員は同日午前に開かれた民主党政策調整会議でキム秘書官の発言について「精神状態を疑わざるを得ない状況」だとし、「キム秘書官の任命は尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が指向する歴史観と性認識がどのようなものなのかを如実に示す人事」だと述べた。コ議員は「大韓民国大統領の『慰安婦』被害者と女性に対する認識がその程度だという事実を前に惨憺たる気持ちだ」とし、「今からでも『慰安婦』被害者に対する暴言を撤回し、謝罪することはもちろん、大統領として自ら損ねた国の品格を立て直すべきだ」と付け加えた。大統領室関係者は同日、金秘書官の進退について、「もう少し見守る」と述べた。

イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1042542.html韓国語原文入力:2022-05-12 15:34
訳H.J

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